茶畑の中の吉岡大塚古墳、「築造時」と「現在」が比較できる史跡公園に!

吉岡大塚古墳

静岡県掛川市、茶畑の広がる一帯に、4基の前方後円墳(各和金塚古墳、瓢塚古墳、吉岡大塚古墳、行人塚古墳)と1基の円墳(春林院古墳)が現存し、和田岡古墳群と称されています。墳丘長54.6mの前方後円墳である吉岡大塚古墳は、後円部の半分を築造時に復元、残りは現状を活かしているので、1500年の旅を楽しめる仕組み。

後円部の南側を築造時の状態に復元

吉岡大塚古墳
修復前の吉岡大塚古墳

公園化された吉岡大塚古墳は、5世紀中頃に築かた、墳丘長54.6m、後円部径41.3m、高さ7.0mの前方後円墳で、古墳群の中で3番目の大きさです。
一帯は和田岡の茶畑と呼ばれる茶畑が広がるのどかな光景で、一見すると古墳群があるようには見えません。

吉岡大塚古墳の南側を通る静岡県道271号(掛川山梨線)から見える墳丘の南側は、墳丘を覆う葺石、テラスに並ぶ埴輪など築造時の姿に復元。
墳丘の北側部分は、古墳保護のため、盛土・植栽を行ない、現状のまま保存しているので、古墳築造時から現在に至る1500年もの時の経過を墳丘の南側と北側とで比較して見学することができるのです。

今では茶畑が広がる一帯ですが、古代にはヤマト王権と密接な関係を有した地方豪族が、土地を支配し、墳墓として前方後円墳、円墳を築いたことが判明しています。
年代的には、5世紀前半の春林院古墳(直径30m、高さ5mの円墳)から築造が始まり、瓢塚古墳(ひさごつかこふん/墳丘長63.0mの前方後円墳)、各和金塚古墳(かくわかなつかこふん/墳丘長66.4mの前方後円墳)、吉岡大塚古墳と推測され、行人塚古墳(ぎょうにんつかこふん/墳丘長 43.7mの前方後円墳)に関しては、古墳時代中期に築造されたと推測されますが、後世に大きな削平を受けたため、詳細は不明です。

周辺には遠州三山の可睡斎(かすいさい)、油山寺などもあるので参詣の帰路に立ち寄ることも可能です。

吉岡大塚古墳
修復中の吉岡大塚古墳
吉岡大塚古墳
葺石が敷き詰められ、埴輪が並ぶ後円部南側
茶畑の中の吉岡大塚古墳、「築造時」と「現在」が比較できる史跡公園に!
名称 国史跡和田岡古墳群 吉岡大塚古墳
所在地 静岡県掛川市吉岡
ドライブで 新東名高速道路森掛川ICから約4.5km、東名高速道路掛川ICから約12km
駐車場 あり/無料
問い合わせ 掛川市文化・スポーツ振興課 TEL:0537-21-1158
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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