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11月2日は、山万ユーカリが丘線が開業した日

山万ユーカリが丘線

全国的にも珍しい山万ユーカリが丘線(千葉県佐倉市)は、昭和57年11月2日に開業。ユーカリが丘ニュータウンを開発した不動産会社の山万、その鉄道事業本部が運営するという異色の鉄道。ユーカリが丘駅を起点とするラケット状の線形のAGT(自動案内軌条式旅客輸送システム)路線と、こちらもかなり異色です。

不動産会社が走らせる異色のAGT路線

開業時の山万ユーカリが丘線

日本初のAGT営業路線は、神戸のポートライナー(神戸新交通ポートアイランド線)で昭和56年2月5日の開業。
つまりはポートライナー開業の翌年に山万は自動案内軌条式旅客輸送システムを山万ユーカリが丘線に採用して営業運転を始めたことになります。

ポートライナーに続いて昭和56年3月16日に大阪市交通局(現:Osaka Metro)南港ポートタウン線が開業、3番目、東日本初となったのが山万ユーカリが丘線なのです。
その後、埼玉新都市交通伊奈線(昭和58年12月22日)など、続々と採用されていますが、山万ユーカリが丘線が民間初の採用例となっているのです。

しかも鉄道敷設にあたっては、当時の運輸省から「不動産屋が鉄道を走らせるとは何事だ」とイチャモンまで付けられましたが、開業後は「鉄道等の運転無事故事業者」として表彰されるほどで、平成25年には第20回「鉄道の日」鉄道関係功労者大臣表彰で国土交通大臣表彰を受けています。

すべての住宅を山万ユーカリが丘線の駅から徒歩10分以内に配置し、山万ユーカリが丘線も14分で中心部をテニスラケット型に周回するというシステム。
あえてこのAGT(自動案内軌条式旅客輸送システム)を導入したのも、環境保全に注力したからとのこと(走行装置は一軸ボギー空気入りゴムタイヤ方式)。
料金は均一の200円と、良心的。

ワンマン運転が行なわれる山万ユーカリが丘線の車両は、ユーカリが丘にちなんで「こあら号」の愛称が付けられ(住民公募によるネーミング)、3両固定編成で運用。
PASMOやSuicaなどのIC乗車券は使用できませんが、一日乗車券500円が用意されています。

地元住民向けには顔認証システムによるチケットレス乗降車「顔パス決済乗車」、ユーカリが丘線の駅間を補完して高齢者や子育て世代の外出を支援する路線バス「こあらバス」なども実施。
鉄道事業部スタッフの大半が「サービス介助士」の資格を取得している点もかなりユニークです。

ただし、冷房装置は備わっていないので、夏場は暑くなるため、「冷やしおしぼり」を提供したりして乗り切っています。

開業当時のユーカリが丘駅
11月2日は、山万ユーカリが丘線が開業した日
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

山万ユーカリが丘線

千葉県佐倉市にある自動案内軌条式旅客輸送システム(AGT)路線が山万ユーカリが丘線(4.1km)。ユーカリが丘を開発する街づくり企業・山万が運営する新交通システムで、ユーカリが丘ニュータウン内の交通の利便性を高める目的で建設されたもの。車

 

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