世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の熊野古道や、那智の滝のある和歌山県。黒潮洗う海岸沿いを中心に、ダイナミックな地形を生かした絶景スポットが豊富。そのなかからニッポン旅マガジンの取材班が、現地でこれぞ絶景とうなった和歌山県の絶景を紹介します。いつかはぜひ、訪れてみたい場所です。
Thema1:世界遺産の絶景
青岸渡寺・那智の滝|那智勝浦町
青岸渡寺境内の三重塔と那智の滝とのツーショット。
那智の滝は、落差133m、直瀑(一段の滝)としては日本一の落差を誇り、日光の華厳の滝、奥久慈の袋田の滝とともに「日本三名瀑」にも数えられています。
滝近くには熊野那智大社の社殿があり、三重塔だけが青岸渡寺となっていますが、明治以前の神仏混淆(しんぶつこんこう)時代には那智権現として現在の熊野那智大社と一体になって信仰されていたのです。
花山法皇の西国三十三所観音霊場巡礼の旅もここが出発点となっています。
世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産にもなっている絶景です。
熊野古道・大門坂
熊野古道(熊野参詣道)のなかでも、もっとも手軽に絶景写真が撮影できるスポットが大門坂。
熊野古道・中辺路(なかへち)の一部で、全長640m、267段の石段とうっそうとした杉並木が続く石畳の道は、熊野古道のなかでももっとも美しい鎌倉積みとなっています。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産で、「日本の道100選」にも選定。
大門坂の石碑から上記の絶景スポットである青岸渡寺・三重塔までは、徒歩で40分ほど。
Thema2:有名観光地の絶景
橋杭岩|串本町
海に並ぶ不思議な奇岩列が橋杭岩(はしくいいわ)。
橋脚のない橋の杭部分のみというイメージなのがその名の由来です。
1500万年前~1400万年前に地下から上昇したマグマが、熊野層群に貫入した石英斑岩の岩脈で、「日本の地質百選」にも選定。
橋杭岩が見渡せる国道42号沿いの海岸には「道の駅くしもと橋杭岩」があり、展望所も設置されています。
円月島|白浜町
南紀白浜のシンボルが円月島(えんげつとう)。
正式名は高嶋ですが、明治の漢学者・津田東巌(つだとうがん)が、海に沈む月に見立てたことから「円月島」の名があります。
夕日のシーンが絶景で、運が良ければ島の穴の中に日が沈む日が。
和歌浦|和歌山市
『万葉集』にも詠まれた古からの風光明媚な景勝地が和歌浦(わかのうら=和歌の浦)。
都市化の波で天橋立と並び称されたという絶景に少し陰りも見えますが、名草山中腹の紀三井寺からの眺め(境内から和歌浦湾を一望)などを含めて、和歌山県を代表する絶景に間違いありません。
玉津島神社、和歌浦天満宮、紀州東照宮、妹背山と三断橋、不老橋など和歌の浦一帯はが国の名勝に。
「若の浦に 潮満ち来れば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴(たづ)鳴き渡る」山部赤人)(『万葉集』巻六919番)
友ヶ島|和歌山市
和歌山と淡路島の間、紀淡海峡(友ヶ島水道)に浮かぶ無人島群の友ヶ島。
地ノ島、神島、沖ノ島、虎島の総称で、瀬戸内海国立公園に指定されています。
戦前は、大阪湾防備のための由良要塞の一部(友ヶ島地区)として友ヶ島第一~第五砲台と虎島保塁が置かれた場所です。
要塞となったことで、開発から免れ、現在では照葉樹茂る無人島にレンガ造りの要塞が残されています。
忘帰洞|那智勝浦町
紀伊勝浦温泉にあるホテル浦島リゾート&スパには、天然の洞窟(海蝕洞)を利用した大洞窟風呂があります。
これが忘帰洞で、あまりの心地よさに、時を忘れてしまうというのがその名の由来です。
洞窟の外は、大海原という和歌山県を代表する異色の絶景温泉です。
Thema3:目下、売出し中の絶景
蘭島(あらぎ島)|有田川町
和歌山県で唯一の「日本の棚田百選」に選ばれているのが有田川沿いの蛇行を生かした棚田、蘭島(あらぎ島)。
河岸段丘の棚田が開かれたのは江戸時代のこと。
高野山と結ぶ旧街道沿いにある展望台から一望にできます。
白崎海岸(白崎海洋公園)|由良町
日本の渚百選にも選定される白崎海岸(白崎海岸県立自然公園)。
青い海と白い奇岩という不思議なコントラストが、日本離れした異色の絶景を生み出しています。
白い岩の正体は石灰岩。
あまり知られていませんが、白崎海岸は、岬全体が2億5000万年以上も前になる古生代ペルム紀のカルスト地形。
石灰洞、カレンフェルト(溶食が進んだ石灰岩台地)などのカルスト地形が残され、道の駅白崎海洋公園から展望台まで散策が可能です。
生石高原|有田川町・紀美野町
紀美野町と有田川町にまたがる生石高原(おいしこうげん)。
高原には13haという関西最大級のススキの大草原があり、10月上旬〜11月中旬には西日を浴びて黄金色に輝きます。
車で山上まで到達でき、手軽にそのい絶景を目にすることができます。
和歌山県の絶景 10景 | |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
画像協力/公益社団法人和歌山県観光連盟
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