【全国雑煮図鑑】 雑煮発祥の地 京都府「白味噌雑煮」

京雑煮

正月の三が日に餅が入った雑煮を食べる風習は、平安時代に宮中で始まり、室町時代に武家に広まり、明治維新で全国に普及したと推測されています。つまりは京都発祥で、米を贅沢に使い米麹の割合(麹歩合)が非常に高い白味噌は、まさにめでたいハレの日の象徴。

白味噌も雑煮も平安時代に京で誕生!

【農林水産省公式】うちの郷土料理 ~次世代に伝えたい大切な味~ 京都府『白味噌の雑煮』

白味噌は、味噌のなかで唯一、酵母菌を生み出さず、米麹(こめこうじ)の糖化力でのみ、甘みを引き出しています。
宮中や武家で使われた往時の高級品だった白味噌は、滑らかな舌ざわりとふくよかな甘みが特徴。

麦味噌や豆味噌など、貯蔵を目的に発達したほかの味噌に比べ、塩も少なめのため、保存料を使わなければ日持ちしないという難点があり、その意味でも実に贅沢な味噌です(貴族社会で好んで使われました)。

当然、白味噌も京都が発祥で、平安時代頃といわれているので、白味噌の誕生で、白味噌+餅という組み合わせが自然と生まれたのだと推測できます。
白味噌の雑煮は「京雑煮」と呼ばれるのは、そのためです。

京雑煮の具材は、皮をむいてゆでた頭芋(かしらいも=里芋の親芋)と大根を、輪切りもしくは亀甲型にかっとしたもの。
金時人参(輪切り、亀甲型)を入れれば鮮やかな仕上がりに。
餅は当然、「角が立たない」丸餅で出汁(だし)は、昆布出汁のみで動物性の出汁は使いません。
餅は焼くこともあるが、白味噌の風味を邪魔しないように、ゆで餅が一般的。

器に、下準備の終わった頭芋、大根を入れ、柔らかくした丸餅も入れ、出汁で溶いた白味噌をいれて出来上がりです。
白味噌を高温で長時間煮ると、苦味やえぐみが生じるので、決して生餅を入れて煮込むことはありません。

ちなみに、現在、白味噌が造られているのは、京都・大阪・兵庫・岡山・広島・香川・徳島の2府5県。 
平家落人伝承のひとつの裏付けになるのかもしれません。

京雑煮
【全国雑煮図鑑】 雑煮発祥の地 京都府「白味噌雑煮」
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