愛知県瀬戸市深川町、深川神社の境内社が陶彦社(すえひこしゃ)。瀬戸陶業の始祖、藤四郎(とうしろう=加藤景正)の偉業を称え文政7年(1824年)に創建された社で、4月の第3日曜には『陶祖祭』も行なわれ、その初日には、陶物(すえもの)と呼ばれる焼き物を陶彦社に献上する「御物奉献行列」を斎行。
瀬戸陶業の始祖、藤四郎を祀る
加藤景正は、四郎左衛門(しろうざえもん)が通称で、加藤四郎左衛門を略して藤四郎(とうしろう)と呼ばれています。
鎌倉時代初期の貞応2年(1223年)、僧・道元に随行し南宋に渡り、6年間、先進の地、宋で陶芸を習得。
帰国後、焼き物に適した土を求めて全国を行脚しますが、深川神社参拝の折に神社の巽の方角(南東)に良土ありとのお告げを受け、瀬戸に窯を開いたと伝えられています。
国の重要文化財となった深川神社境内の「陶製狛犬」は、藤四郎が深川神社のお告げに感謝して奉納したもの。
現在の陶彦社の社殿(本殿・幣殿・拝殿)は大正15年築の一間社流造り。
本殿・拝殿の前には2対の陶製狛犬が配され、建物を取り囲む築地塀の瓦も緑釉(りょくゆう)の織部瓦(織部焼の敷瓦)です。
発掘調査で、施釉技法を持つ瀬戸窯が成立したのは平安時代中期(10世紀末)と判明しているので、その後に藤四郎が最新の製陶法を瀬戸に伝え、瀬戸焼(古瀬戸様式)の基礎を築いたと推測できます。
陶彦社(深川神社) | |
名称 | 陶彦社(深川神社)/すえひこしゃ(ふかがわじんじゃ) |
所在地 | 愛知県瀬戸市深川町11 |
関連HP | 深川神社公式ホームページ |
電車・バスで | 名鉄瀬戸線尾張瀬戸駅から徒歩8分 |
ドライブで | 東海環状自動車道せと赤津ICから約4km |
駐車場 | 宮前公園駐車場(10台/有料) |
問い合わせ | 深川神社 TEL:0561-82-2764 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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