青森県弘前市紙漉町(かみすきまち)にある湧水が富田の清水(とみたのしつこ)。紙漉町という名の通り、延宝5年(1677年)に町割りされ、貞享3年(1686年)、津軽藩4代藩主・津軽信政の命で熊谷吉兵衛が、清水(しつこ)を利用して弘前藩の御用紙漉所を設置し、紙漉職人が暮らした町。環境省の名水百選にも選定されています。
紙漉町は、弘前藩の御用紙漉所のあった地
越前(現・福井県)から和紙職人・熊谷吉兵衛を招聘した4代藩主・津軽信政は、延宝5年(1677年)、紙漉町の町割りと同時に和紙の原料となる楮(こうぞ)の栽培を始めています。
和紙製造に大量の水を使うことから、現・紙漉町に御用紙漉所を定めたのは、熊谷吉兵衛の案だと推測できます。
その弘前藩の御用紙漉所があったのは、現在の弘前紙漉町郵便局の建つあたり。
1日に14.4tという湧出量を利用して、紙漉きが行なわれたのです。
昭和初期まで製紙に使われ、製紙業が廃れてからは生活用水にとして活用されてきました。
並んでいる水槽は6つあり、1槽・2槽目が飲用、3槽目が米・青物の洗いと洗顔用、4槽目が紙漉きの材料・漬物樽用、5槽・6槽目が洗濯のすすぎ、足洗用と決められていました。
現在は弘前市が管理し、「飲用は給水口から」という注意書きがあります。
ちなみに富田というのはかつての中津軽郡富田村に由来。
青森県にある環境省「名水百選」に選定の湧水は、もう1ヶ所、平川市の渾神の清水があります。
名称 | 富田の清水/とみたのしつこ |
所在地 | 青森県弘前市紙漉町5-2 |
関連HP | 弘前観光コンベンション協会公式ホームページ |
電車・バスで | 弘南鉄道弘前下駅から徒歩6分。中央弘前駅から徒歩8分 |
ドライブで | 東北自動車道大鰐弘前ICから約10km |
問い合わせ | 弘前観光コンベンション協会 TEL:0172-35-3131 |
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