現存する「明治期の県会議事堂」 3ヶ所

明治時代には近代化とともに全国の府県には郡制が敷かれ、県議会も開催されるようになりました。そんななかで県議会の議事堂が建築されていますが、明治期に建築された県会議事堂で現存するのは、新潟県、京都府、和歌山県の3府県にすぎません。いずれも国の重要文化財に指定されています。

旧新潟県議会議事堂(新潟県政記念館)|新潟市

信濃川をロンドンのテムズ川に見立て、英国風に建てられた瀟洒な洋館

所在地:新潟県新潟市中央区一番堀通町3-3
建築年:明治16年3月
設計:地元新潟で建築を請け負った星野総四郎(ほしのそうしろう)
文化財:国の重要文化財
内容:建築当時、新潟県の人口は、都道府県別で日本一(明治21年=新潟県166万人、兵庫県151万人、愛知県144万人がベスト3)で、繁栄ぶりを背景に、3万7000円という巨費を投じて建築
福澤諭吉と慶應義塾(現・慶應義塾大学)の政治結社グループが東京府築地木挽町に建築した政談演説公会堂「明治會堂」(関東大震災で焼失)を模して建築
見学:知事室、議長室らが残るほか、明治期の議会場が再現され、県政の資料などを展示

新潟県政記念館

新潟県政記念館

新潟市中央区、白山公園横に建つレトロな建物が、新潟県政記念館。明治13年の新潟大火後の明治16年に建築された旧新潟県議会議事堂。明治初期の木造2階建ての洋風建築で、国の重要文化財に指定。信濃川をロンドンのテムズ川に見立て、英国風に建てられた

京都府庁旧本館

府県庁舎建築の定型、模範となった建物

所在地:京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町下
建築年:明治37年12月20日
設計:京都府技師・松室重光(まつむろしげみつ)
文化財:国の重要文化財
内容:レンガ造りのルネッサンス風洋館
議事堂と府県庁舎を一体化させた建築の典型で、以降の府県庁舎建築の定型、模範となった建物
見学:正庁、旧知事室、旧食堂、旧議場(公開日、公開時間に注意)が公開
1階にカフェ「salon de 1904」が営業

京都府庁旧本館

京都府庁旧本館

京都府京都市上京区にある美しいルネサンス様式の建築物が、京都府庁旧本館。明治37年12月20日に京都府議会議事堂を併設した京都府庁として建築され、国の重要文化財に指定。創建時の姿をとどめる現役の官公庁建物としては日本最古のもの。旧議場は、現

旧和歌山県議会議事堂

木造建築としては日本で最古の県会議事堂建築

所在地:和歌山県岩出市根来2170
建築年:明治29年
設計:不詳
文化財:国の重要文化財
内容:和歌山市六番丁に建設され、昭和37年に根来寺境内に移築され、大講堂・客殿に転用。平成24~27年度の保存整備事業によって、建築当初の姿に復原され、道の駅ねごろ歴史の丘の横に移築公開
見学:無料で見学が可能(火曜日などの休館日があります)

旧和歌山県議会議事堂

旧和歌山県議会議事堂

和歌山県岩出市根来(ねごろ)にある歴史的建造物が旧和歌山県議会議事堂。明治29年、和歌山県議会議事堂として建てられたもので、昭和37年に根来寺境内に移築され、大講堂・客殿に転用。平成24~27年度の保存整備事業によって、建築当初の姿に復原。

現存する「明治期の県会議事堂」 3ヶ所
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