2025年春は、クマ被害が例年の3倍以上! 「人とクマの大衝突」の可能性も

2025年は、雪解けの4月だけでクマによる人身被害は全国で11名を数え(直近5年間の4月における人身被害者数は1名~4名で、平均3名)、例年の3倍以上のペースです。とくに目撃例が多い秋田県では「ツキノワグマ出没警報」を発令するなど、注意を呼びかけています。なぜ今年は「クマの目撃例」、クマ被害が多いのでしょう。

2025年は「人とクマの大衝突が起きる」!?

秋田県においては、近年のツキノワグマ出没傾向から、集落周辺に定着している個体が増加していることが推測され、県の担当者も「クマは私たちが思っている以上に身近にいます」と警鐘を鳴らしています。

秋田県では、地元の目撃情報(位置情報)をGoogle Maps(Googleマップ)に落とすツキノワグマ等情報マップシステム『クマダス』を用意、秋田県内に旅する場合には、最新の出没状況を確認ことができ、便利です。
秋田県など東北各県、そして長野県などは、山菜採りシーズンに山に入る人が増え、クマとの遭遇ケースが増加する傾向にあります。

秋田県では毎年5月に、「春のクマ事故防止キャンペーン」を実施し、音を出して人の存在をアピール、複数人で行動しゴミは持ち帰る、入山禁止地域には入らないことを呼びかけています。
秋田県内の2024年のツキノワグマ被害は、死亡事故の報告はないものの、重傷となった事故は5件以上あり、5月〜8月中旬に集中しています。

秋田県の担当者は、「昨年度は餌の凶作で秋の出没が多かったのですが、今年は春に多い」と昨年との違いを指摘。
専門家のなかには、里山、人家周辺に出没する人馴れしたクマも増加し、2025年は「人とクマの大衝突が起きる」と警鐘を鳴らす人もいるので、クマの生息エリアに出かける場合にはかなり注意が必要です。

2024年はドングリが比較的に豊作で(たとえば福島県はブナとコナラについては「並作」、ミズナラについては「豊作」と「並作」以上の場所が大半)、多くの仔グマが順調に育ち(秋にドングリが豊富にあることは、クマの生存にとって大きなメリット)、冬眠明けとともに里山周辺に親子連れがたくさん出没ことも懸念されています。

ツキノワグマよりもひと回り大きく、牛馬も襲うというヒグマの生息する北海道でも2023年はドングリは不作、2024年は10年ぶりに並作となり、今年の出没例にどう響くのか、注目されるところです。
山梨県では2024年4月〜5月のクマの目撃件数は33件、2025年は5月13日現在で6件と、こちらは少し減少している状況です。

例年、クマの被害が多い長野県では4月に46件の目撃例、5月も5月14日までで31件を数え、4月を上回るペース。
6月になると軽井沢などの出没も増えると予想されるので、今年も警戒が必要です。

2025年春は、クマ被害が例年の3倍以上! 「人とクマの大衝突」の可能性も
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