寝台特急「カシオペア」6月に引退! 食堂車の備わった寝台特急が終焉!

1999年に上野と札幌を結ぶ豪華寝台特急としてデビューしたJR東日本の「カシオペア」。飛行機よりも高い料金ながら、豪華な移動手段として人気を集めましたが、北海道新幹線の開業に伴い、定期運行を廃止、その後、観光列車「カシオペア紀行」として運用されていましたが、2025年6月で引退します。

鉄道ファン憧れの豪華寝台特急として上野〜札幌を走行

上野と札幌を結ぶ豪華寝台特急は、1988年3月13日、青函トンネルの開業にあわせてデビューしたJR東日本の寝台特急「北斗星」が始まり。
A寝台個室「ロイヤル」、A寝台2人用個室「ツインデラックス」、B寝台個室「ソロ」、B寝台「デュエット」という個室を用意、4ベッドを4人で使う場合は個室になる「Bコンパート」はファミリーにも人気でした。
ブルートレインの側面に付けられた北斗星のロゴマーク、そして食堂車でのディナーも魅力でした。

JR西日本は1989年12月、大阪〜札幌間に寝台特急「トワイライトエクスプレス」を運行(7月21日に団体専用列車として運行を開始し、12月に臨時列車に変更)、こちらも1号車と2号車はA寝台個室という豪華さと、日本海を北上する景観が売りでした。
3号車はレストランカー「ダイナープレヤデス」で、季節ごとに入れ替えるコース料理に力を入れていました。

寝台特急「カシオペア」は、JR初のオール2階建寝台客車。
しかも「快適空間を実現した寝台列車」がコンセプトで、なんと全室がA個室寝台となっています。
寝台車10両、食堂車1両、ラウンジ車1両の12両編成で、最後尾はラウンジカーです。
最上級の「カシオペアスイート」は、1階が寝室・2階を居間としたメゾネットタイプと、上野寄り編成端の1部屋のみとなる平屋の展望タイプに分かれ、平屋タイプの「カシオペアデラックス」も用意。

そんな豪華寝台特急の全盛時代ですが、徐々に航空機利用に押され、「北斗星」、「トワイライトエクスプレス」は車両の老朽化もあって2015年に定期運行が終了。
寝台特急「カシオペア」も2016年3月に定期運転を終え、団体専用列車「カシオペアクルーズ」、「カシオペア紀行」として運用されてきましたが、2025年6月のツアーで引退ということに。

寝台特急「カシオペア」引退の大きな原因は全室トイレ付きという設計上、水回りが老朽化したこと。
もともと長期間の運用という感じではなかったのかもしれません。

JR東日本の喜勢陽一社長は、「お客様からのご要望やご利用が多いということでイベント的に活用してきたが、現在のように寝台特急としての利用はこの6月でひとつの節目にしたい」と語っています。

寝台特急「カシオペア」引退後は、いわゆる寝台特急は「サンライズ瀬戸・出雲」だけに。
JR東日本の「TRAIN SUITE 四季島」、JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」、JR九州の「ななつ星in九州」がありますが、こちらはさらに豪華で、庶民にはちょっと手の届かない周遊型寝台列車(クルーズトレイン)です。

メゾネットタイプの「カシオペアスイート」
食堂車というよりもメインダイニングといった雰囲気
最後尾はラウンジカー
寝台特急「カシオペア」6月に引退! 食堂車の備わった寝台特急が終焉!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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