鎌ヶ谷大仏

鎌ヶ谷大仏

千葉県鎌ケ谷市鎌ケ谷1丁目、新京成線・鎌ヶ谷大仏駅前にあるのが、鎌ヶ谷大仏。像高1.80m(台座含めて2.30m)の青銅製の釈迦如来像で、安永5年(1776年)、鎌ヶ谷宿の「大国屋」福田文右衛門が先祖の霊の冥福を願い造立という歴史ある大仏です。青銅製の大仏ですが、戦時下の金属供出を免れて現存しています。

谷宿の繁栄を背景に、商人が建立した「大仏」

鎌ヶ谷大仏

鋳造したのは江戸・神田の鋳物師(いもじ)・多川主膳で、派手好きだった福田文右衛門の趣向を反映して、開眼供養には、僧侶50人を呼び集め、福田家から露座の大仏まで3丁の道路一帯に琉球表を敷き詰め、江戸の料理屋「八百善」に300人分の料理を用意させたと伝えられています。
しかも、二の膳には平に二分金、つぼに一分銀、皿に小判を盛ったと伝えられ、「つぼに白銀、お平にや黄金、皿にや小判でとどめさす」とと唄ひ囃されたと伝えられています。

鎌ケ谷宿は、行徳河岸(現・市川市)と木下河岸(現・印西市)をつなぐ木下道(きおろしみち)の宿場で、寛政12年(1800年)には7軒の旅籠があり、繁栄していました。
魚を江戸に運ぶ街道の要衝(中継点)にあたり、その宿場の中心(大仏十字路)に造立されたのが、鎌ヶ谷大仏です。

地元にも大仏を尊崇する人が多かったため、明治初年の廃仏毀釈の荒波を抜け、戦時中の金属供出にも頑として応じなかったため、今も往時の姿が残されています。

日本で唯一駅名に大仏がつく、鎌ヶ谷大仏駅ということで、訪れる人の気分も盛り上がりますが、それに比べて像高1.80mは、「大仏というには少し小さい」ことから、がっかり観光地などと揶揄されることも。
それでも鎌ヶ谷大仏駅は、「駅前の阿弥陀如来像の大仏にちなんで付けられた、歴史を感じさせる駅名」ということで、関東の駅100選にも選定されています。

ちなみに、一般的な大仏の定義は、江戸時代には「丈六」(じょうろく)、つまり1丈6尺(4.85m)で、座像の場合は半分の8尺でも大仏と名乗ることができますが、残念ながら鎌ヶ谷大仏はそれにも足りず「日本最小の青銅製大仏」といわれることも。
ちなみに、世界一の青銅製大仏は、牛久大仏(茨城県牛久市)で、像高100m、台座をふくめると120mもあります。

鎌ヶ谷大仏
名称 鎌ヶ谷大仏/かまがやだいぶつ
所在地 葉県鎌ケ谷市鎌ケ谷1-5
関連HP 鎌ケ谷市公式ホームページ
電車・バスで 新京成電鉄鎌ヶ谷大仏駅から徒歩1分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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