経済産業省の近代化産業遺産「外貨獲得と近代日本の国際化に貢献した観光産業草創期の歩みを物語る近代化産業遺産群」に登録されるクラシックホテルのうち、現役のホテルは10軒。そのうち、温泉を楽しむことのできる秀逸なクラシックホテルは、わずかに4軒。エレガントな入浴を楽しみましょう。
富士屋ホテル|神奈川県
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359
内容:明治11年7月15日、箱根宮ノ下に日本で初めての本格的なリゾートホテルとして開業(明治26年、宮ノ下のライバル、奈良屋旅館は日本人客専用、富士屋ホテルは外国人専用に)。
大正元年以降は日本人の宿泊も可能になり、戦後は進駐軍の接収時代も
本館は明治24年築、西洋館は明治39年築で今も耐震工事を経て現役です
文化財登録:国の登録有形文化財
富士屋ホテルで温泉に入浴!
温泉名:箱根七湯に数えられた名湯・宮ノ下温泉(ホテル内に源泉が4ヶ所)
泉質:ナトリウム-塩化物泉
入浴:全客室(120室)のバスルームでは宮ノ下温泉の源泉をかけ流しで楽しむことが可能なほか、フォレスト・ウイングの最上階(6階)にスパを設置(ただしこちらは循環式)
万平ホテル|長野県 2024年10月2日にグランドオープン
所在地:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925
内容:明治27年、外国人宣教師たちが避暑地として見出した軽井沢(中山道軽井沢宿)に佐藤万平が亀屋ホテルを創業したのが前身。
明治35年、ホテルをメインストリート(軽井沢宿)から桜の沢に移転し、西洋建築のホテルを新築。
昭和11年に現在の本館(アルプス館)が竣工、ハーフティンバー風の外観に。
上海などに在留の外国人が夏の避暑地としたことからも、収納が多くゆったりとした間取り、猫足のバスタブなど、客室も特徴的です。
ジョンレノンの愛した宿、カフェのアップルパイでも有名。
文化財登録:本館(アルプス館)は国の登録有形文化財
万平ホテルで温泉に入浴
温泉名:塩沢温泉
泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉
入浴:クラシカルモダンをコンセプトにした「愛宕館」は全室内風呂には天然温泉を給湯
川奈ホテル|静岡県
所在地:静岡県伊東市川奈1459
内容:大倉財閥2代目・大倉喜七郎が、留学先の英国貴族たちが楽しむカントリーライフに憧れ、その実現の地に選んだのが、東伊豆の川奈。
昭和3年、ゴルフコース「大島コース」を開業、上流階級の社交場となったことを受け、昭和11年に宿泊施設として「川奈ホテル」が開業。
戦後はGHQが接収しますが、戦後はマリリンモンロー、ジョー・ディマジオが新婚旅行で宿泊、皇族や貴賓の宿泊も多数あります。
現在はホテルオークラの経営を離れ、プリンスホテルが運営、格調高いサービス、料理などを受け継いでいます(宿泊者向けに館内の見学会も実施するほか、歴史展示コーナーもあります)。
文化財登録:川奈ホテル、川奈ホテルゴルフコースなどが国の登録有形文化財
川奈ホテルで温泉に入浴!
温泉名:川奈温泉
泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉(塩化物泉と硫酸塩泉の2本の源泉があります)
入浴:宿泊者専用温泉施設「ブリサマリナ」(スペイン語で「海風」の意)で大海原、伊豆大島を眺めながら入浴が可能
男女別に露天風呂、内湯、サウナがあるほか、プライベートバス、湯上りラウンジ(男女共用スペース)、女性専用ラウンジも用意
雲仙観光ホテル|長崎県
所在地:長崎県雲仙市小浜町雲仙湯ノ里320
内容:九州が上海などと航路で結ばれた時代、外国人避暑地として注目された雲仙に、アルプス山小屋風を基調にした外観の本格的なリゾートホテルとして昭和10年10月10日、誕生。
竹中工務店の設計・施工第一号ホテルで、格調高いインテリアも自慢です。
雲仙のシンボル的な存在で、200畳の広さを誇るダイニングルームは秀逸。
ダイニングは予約が必要ですが(ランチは前日まで、ディナーは3日前までに要予約)、ラウンジは気軽に利用ができます。
温泉地だけに「硫黄泉浴室」がありますが、タイルをアールデコ調のデザインにするなどのこだわりも(露天風呂もあります)。
文化財登録:国の登録有形文化財
雲仙観光ホテルで温泉に入浴!
温泉:小糸地獄(自噴)/源泉温度が93.5度と高温のため加水していますが源泉かけ流し
泉質:酸性・含鉄・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩泉
入浴:硫黄泉浴室、露天風呂、リラクゼーションスペース、家族風呂
人気のクラシックホテルで、温泉に入浴! | |
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