3月3日はひな祭りですが、西暦に直せば4月上中旬で、桃の節句といいながら実際には季節感にズレがあります。大宰府で『曲水の宴』創始されたのも3月3日(旧暦)。信長の父・織田信秀の忌日、さらに前田利家の忌日です。桜田門外の変、日米和親条約締結の日、昭和三陸大津波の日にもなっています。
ひな祭り(桃の節句・上巳の節句)
和暦(太陰太陽暦)の3月の節句(上巳、桃の節句)である3月3日(西暦では4月上中旬)に行なわれていましたが、明治6年に西暦使用に変わってからも3月3日に固定されたため、季節感のズレが生じています。
東北などでは4月に行なわれる場所もあります。
雛人形を飾るのも江戸時代以降の風習。
明治以前の宮中では天皇は左に座ったため、今でも西日本では一般的に「男雛=左」・「女雛=右」となっています。
男雛を右に置くのは明治の文明開化によって日本が西洋化したから。
日本人形協会では、男雛を向かって左に置くのを「現代式」、右に置くのを「古式」としています。
神社の参道階段がひな壇になった『かつうらビッグひな祭り』(千葉県勝浦市)、巨大なピラミッドのようなひな壇の『鴻巣びっくりひな祭り』(埼玉県鴻巣市)など、最近では集客力のあるイベントとなっており、地域活性に役立っています。
大宰府で『曲水の宴』創始
『天満宮安楽寺草創日記』(安楽寺は太宰府天満宮創建前に菅原道真の廟所だった寺、太宰府天満宮は江戸時代までは神仏習合の安楽寺天満宮でした)によれば、天徳2年(958年)3月3日に大宰大弐(だざいのだいに)・小野好古(おの のよしふる)が曲水の宴を大宰府で創始したと記されています(上巳の節句に因んだ行事)。
中世に途絶したものを、戦後、太宰府天満宮が復活させ、現在では3月の第1日曜に斎行されています。
昭和三陸大津波
昭和8年3月3日、昭和三陸地震による大津波が発生、岩手県では死者1316名、行方不明1397名を数える大惨事となっています。
津波が襲来した後の田老村は、集落が流され、家がほとんどない状態になりました。
これをきっかけに、田老では、昭和57年までに高さ10m、総延長2433mの巨大な防潮堤が築かれましたが、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による大津波はこの防潮堤をも越えて町内を襲い、多くの犠牲者が生まれています。
日本最初の神前結婚式(民間)
明治34年3月3日、日比谷大神宮(現・東京大神宮)で神前結婚式(最初は模擬結婚式の形式)が行なわれました。
明治33年5月10日、明治天皇皇太子(のちの大正天皇)の結婚式が宮中賢所大前(きゅうちゅうかしこどころおおまえ)で行なわれたことがきっかけで、民間での神前結婚式の始まりです。
大正元年に発表された夏目漱石の小説『行人』にも、日比谷大神宮での結婚式が登場しています。
越後浦佐毘沙門堂裸押合大祭|南魚沼市
新潟県南魚沼市で『越後浦佐毘沙門堂裸押合い大祭』が行なわれます。
国の無形民俗文化財に指定された奇祭。上半身裸の男衆が「さんよ、さんよ!」の掛け声とともに押し合いながら毘沙門天を誰よりも早く、近くで参拝しようとする祭礼です。
木内大神『木内神楽』奉納|香取市
千葉県香取市の木内大神で『木内神楽』(きのうちかぐら)が奉納されます。
文化年間(1804年~1818年)には既に行なわれていたことがわかっている歴史ある神楽で、明治初期頃から土地の青年によって伝承されるようになったもの。
五穀豊穣・商売繁盛を祈願し3月3日の祭礼に奉納。
初代日本橋架橋
慶長8年3月3日(1603年4月14日)、初代の木造橋が架けられました。
現在、北側部分を原寸で復元したものが江戸東京博物館に展示されています。
桜田門外の変
安政7年3月3日(1860年3月24日)、江戸城桜田門外(現在の東京都千代田区霞が関)で水戸藩からの脱藩者17名と薩摩藩士1名が彦根藩の行列を襲撃、大老井伊直弼を暗殺。
日米和親条約締結
嘉永7年3月3日(1854年3月31日)、ペリーは500名の将官や船員とともに武蔵国神奈川近くの横浜村(現・神奈川県横浜市)に上陸し、日本側から歓待を受けます。
その後、江戸幕府とアメリカ合衆国が全12ヶ条からなる日米和親条約(Convention of Peace and Amity between the United States of America and the Empire of Japan)を締結。
日本側全権は林復斎(大学頭)、アメリカ側全権は東インド艦隊司令長官のマシュー・ペリー。
この条約で、下田(伊豆国)と箱館(函館)が開港されました。
調印の地は、現在の横浜市中区日本大通(横浜開港資料館前・横浜港開港広場)。
前田利家忌
前田利家は、天文7年12月25日(1539年1月15日)、尾張国海東郡荒子村(現・愛知県名古屋市中川区荒子)の荒子城に生誕。
慶長4年閏3月3日(1599年4月27日)没。
墓所は、石川県金沢市野田町の野田山墓地、金沢市宝町の宝円寺。
NHK大河ドラマ『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』(平成14年放送)では主人公・前田利家を唐沢寿明が好演。
宝円寺の利家追善法要は4月に行なわれています。
耳の日
33(みみ)の語呂合わせから昭和32年から実施。
春のちらし寿司の日
桃の節句であり、ひな祭りが行われることから、ちらし寿司などの調理用食材の製造販売メーカーの「株式会社あじかん」が制定。
耳かきの日
33(みみ)の語呂合わせから耳かき具のトップメーカーの株式会社レーベン販売が制定。
三の日
「三種の神器」「日本三景」など、三について収集・研究をしている日本三大協会が制定。
織田信秀忌
織田信長の父・織田信秀は、天文20年3月3日(1551年4月8日)、末森城(現・愛知県名古屋市千種区城山町)で没。墓所は名古屋市大須の万松寺(萬松寺)と名古屋大仏のある桃巌寺。
万松寺は、那古野城(名古屋城の前身)の南側に建立されましたが、名古屋城の築城(清洲からの城下移転)の際に現在の大須に移転しています。
織田信秀の葬儀の際に信長が位牌に抹香を投げつけた事件は、大須に移る前の万松寺が舞台です。
万松寺では3月3日に『信秀忌』が執り行なわれます。
3月3日生まれの有名人は?
映画監督・大森一樹、サッカーのジーコ(Zico)、タレントのケント・デリカット(Kent Delicat)、タレント・栗田貫一、タレント・マッハ文朱、女優・金子美香、モデル・あいざわかおり、女優・小松千春、歌手・村田めぐみほか。
3月3日生まれの誕生花は?
蓮華草(れんげそう)、桃
明日は何の日? 昨日は何の日?
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