海の三大難所とは!?

古から海難事故が頻発し、難所と恐れられた場所は数あります。早い潮流、狭い海峡、浅瀬や岩礁など、事故の要因は数あります。そんななかで、海の三大難所と称されているのは、「阿波の鳴門か、銚子の口か、伊良湖度合か、恐ろしや」と恐れられた、鳴門海峡、銚子沖、伊良湖水道です。

鳴門海峡

渦潮が名物の鳴門海峡

所在地:徳島県鳴門市(四国)・兵庫県南あわじ市(淡路島)の間
理由:瀬戸内海(播磨灘)と紀伊水道の干満差が最大1.5mもあることで、潮流が渦を巻く渦潮が生じるほか、最大約11ノット(時速約20km以上)の激しい流れが船舶の航行を妨げます
「世界三大潮流」とも称される潮の速さは、可航幅が500mと非常に狭く、それを熟知する水軍(水先案内人でもありました)の活躍の場となったのです。
大潮など潮流の早い時、西風などが強い際、そして濃霧などの障害が起きれば危険度も増します。
担当する海上保安庁:第五管区海上保安本部
安全運航:鳴門海峡を航行する場合の注意事項として海上保安庁は、「大鳴門橋の中央灯の右側を、可能な限り橋軸線と直角のコースで航行」を呼びかけ以下を列挙しています
1.潮流の最強時前後
2.暗夜及び視界不良のとき
3.天候不良のとき
4.潮流と反対方向の風が強く吹くとき
5.大型船舶及び地理不案内の船舶は、上記にかかわらず通峡は避ける

銚子・犬吠埼沖

貨物船やタンカーが航行する銚子沖

所在地:千葉県銚子市犬吠埼の沖
理由:江戸時代に東廻り航路が開設されて以来、海の難所と恐れられた海域
黒潮(暖流)と親潮(寒流)がぶつかり、さらに利根川の河口が近くにあるため、潮の流れが非常に急で複雑(干潮時と満潮時はとくに流れが急)、洋上風力発電が期待されるほど風も強く、しかも夏場の海霧、海上ラッシュという厳しい条件が重なる危険地帯
「銚子の川口てんでんしのぎ」(他人のことなど構ってはいられない)という諺も誕生
北海道やアメリカなどを結ぶ貨物船、フェリー、客船が通る海の大動脈、そして日本有数の好漁場ということで航路上で漁船も多数操業し、海上ラッシュを形成
とくに初夏から夏には濃霧(海霧)が発生し、安全航行の障害に
戦後も海難事故が多数発生しています(おもに貨物船と漁船の衝突)
慶長19年(1614年)、銚子沖で突風が起こり、鹿島灘に出漁中の漁船が風波にほんろうされ1000人以上の漁師が溺死するという痛ましい事故も起きています
担当する海上保安庁:銚子海上保安部
安全運航:潜水業者も「これほど手ごわい海もない」と語る銚子沖
レーダーやAIS(船舶自動識別装置)など科学技術の進歩で装備が良くなったとはいえ、見張りを立てて目視で警戒する必要があると、海保も地元の関係者も力説しています

伊良湖水道

神島側から伊良湖岬を眺望

所在地:愛知県田原市(伊良湖岬)・三重県鳥羽市(神島)の間
理由:太平洋と伊勢湾、三河湾の境界で、江戸時代には知多と江戸を結ぶ知多廻船(日本酒や酢を運び、にぎり寿司が誕生)の航路上でした
船頭小唄では、伊良湖渡合(いらごどあい)と歌われ、三島由紀夫は小説『潮騒』のなかで、「伊勢海と太平洋を繋ぐこの狭窄な海門」、「海流の響きが絶えなかった」と表現しています。
現在も四日市港、名古屋港に大型船が入港するため、1万t以上の船舶に水先人の乗船を義務付けた「強制水先区」に指定されています(大型船舶が1日100隻以上通航)
幅1200mの狭い航路で、航路の両岸には、複数の浅瀬があり(航路は神島側のコズカミ礁と伊良湖岬側の朝日礁の間に設定)、少し間違えると座礁の危険が(明治41 年、海軍の戦艦「朝日」が座礁=現在の朝日礁)
担当する海上保安庁:第四管区海上保安本部、伊勢湾海上交通センター
安全運航:伊良湖水道航路が設定され、伊勢湾海上交通センターが大型船の航路管制を実施
冬季は鈴鹿山脈からの吹き下ろしの風もあり、船は横風を受けます

海の三大難所とは!?
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日本三大潮流とは!?

「鳴門の渦潮」(なるとのうずしお)で知られる鳴門海峡。有名な渦潮は直径20~30mに達して、日本最大の潮流。これに続くのが来島海峡(くるしまかいきょう)。そして平家が滅んだ源平合戦で有名な壇ノ浦の戦いも1日に4回潮流の向きが変わるという関門

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