岐阜県高山市、城下町・飛騨高山(ひだたかやま)の上三之町は、城下町の町人地として最初に造られた一番町、二番町、三番町(現在の一之町、二之町、三之町)の中心。上三之町を中心に一帯4.4ha(南北420m、東西150m)が高山市三町伝統的建造物群保存地区(国の重伝建)に指定されています。
飛騨高山を代表する景観は、上三之町の町並み!
織田信長の直参(じきさん)として活躍した金森長近(かなもりながちか)は、その後、秀吉の配下となり飛騨国を統一、高山城を藩庁に高山藩を立藩します。
城下町の町割りに際し、金森長近は、商業を重視。
高山城を取り囲んで東方の高台を武家地、西方の低地を町人地と町割していますが、他の城下町に比べ町人町の面積を大きく確保しているのです。
武家地・7割、町人地・3割というのが全国の城下町の平均ですが、高山は武家地に対して町人地が1.2倍と圧倒的に町人町が大きく取られているのです。
高山市内に流れる宮川の東側には、町人町の美しい町並が残り、火災を免れた江戸時代のままの家が現存しています。
一之町、二之町、三之町をあわせて三町(さんまち)と呼び習わしていますが、高山観光の中心的存在となっているのが上三之町。
旦那衆(だんなしゅう)と呼ばれた豪商たちの屋敷、伝統工芸品店、老舗の料理屋などが建ち並び、お香や味噌の香りが漂う風情ある町並みが残されています。
狭い通りを挟み、中二階建てで緩い勾配の屋根を有する軒の低い洗練された意匠の町家が連なっています。
ベンガラ塗りの出格子や胡粉塗り(胡粉=貝殻の粉)の腕木などは町人町として栄えた面影をよく残しています。
越中街道沿いに発展した商家町、高山市下二之町大新町も伝統的建造物群保存地区に選定。
ディスカバー・ジャパンが文化財保護につながった!?
国鉄が昭和45年から開始した「ディスカバー・ジャパン(DISCOVER JAPAN)」(副題「美しい日本と私」)キャンペーンで、ポスターなどに使われて、再注目されたものこの上三之町です。
国鉄が行なったディスカバー・ジャパンの人気投票(昭和46年)で、飛騨路は、堂々の2位にランクイン。
こうした観光ブームの到来を背景に、昭和47年には高山市市街地景観保存条例が制定され、町並み保存の機運も高まっり、昭和54年に文化財保護法の適用を受ける高山市三町伝統的建造物群保存地区が制定されたのです。
上三之町(高山市三町伝統的建造物群保存地区) | |
名称 | 上三之町(高山市三町伝統的建造物群保存地区)/かみさんのまち(たかやましさんまちでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく) |
所在地 | 岐阜県高山市上三之町 |
関連HP | 高山市公式ホームページ |
電車・バスで | JR高山駅から徒歩10分 |
ドライブで | 高山清見道路(中部縦貫自動車道)高山ICから約5.5km。または、長野自動車道松本ICから約80km |
駐車場 | 市営神明駐車場(55台/有料)など |
問い合わせ | 高山市観光課 TEL:0577-32-3333 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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