高山陣屋

高山陣屋

岐阜県高山市八軒町、江戸時代に天領だった飛騨(ひだ)の代官・郡代所跡が高山陣屋。幕末には全国に60数ヶ所あった郡代・代官所ですが、現存するのは高山陣屋のみ(国の史跡)。陣屋とは、江戸時代に郡代・代官が治政を行なった場所で、役所や郡代(代官)役宅、御蔵などを総称したものが陣屋です。

天領だった飛騨の政庁が現存!

豊富な山林資源と地下資源(金・銀・銅・鉛)があった飛騨(ひだ)を、徳川幕府は元禄5年(1692年)に天領(直轄地)とし、飛騨代官を配しています。
高山陣屋はもともと飛騨高山藩・金森家(第6代藩主・金森頼時が出羽国上山藩へ転封)の下屋敷だったものを天領となって陣屋にしたもの。
当初は高山城に高山城在番を置いていましたが、維持管理が困難になり、元禄8年(1695年)に加賀前田家が取り壊しを決め、以降、高山陣屋が政庁になりました。

安永6年(1777年)、飛騨代官は飛騨郡代に昇格しますが、慶応4年(1868年)まで25代の代官、郡代が政務を司った場所がこの高山陣屋です。
明治維新以後は、高山県庁舎など行政によって使われてきましたが、昭和44年に飛騨県事務所を移転した後、足かけ16年の歳月と、20億円という費用をかけて往時のままに復元。

現存する御役所の建物は文化13年(1816年)、御門と門番所は天保3年(1832年)、御蔵は慶長年間(1596年~1615年)に建てられたもの。
御蔵は、高山城三ノ丸に米蔵として建てられていた蔵を、元禄8年(1695年)、高山城破却の際、現在地に移築されています。

郡代・代官は勘定奉行の配下に置かれ、郡代の方が広域的ですが仕事の内容には変わりがありません。
当初、飛騨は関東郡代・伊奈氏の配下の代官が任命されていましたが(天領となった際には、関東郡代・伊奈忠篤が飛騨代官を兼任)、安永6年(1777年)、飛騨が郡代として独立し、関東・美濃・西国・飛騨の4郡代に変わり、明治維新までに14代の飛騨郡代にはが派遣されています。
このことからも、徳川幕府にとって飛騨の資源がいかに大切だったかがよくわかります。

弘化2年(1845年)、飛騨郡代に就任した小野高福(おのたかとみ)は、山岡鉄舟の父。
高山陣屋で死去し、高山市の宗猷寺が墓所になっています。

高山陣屋の建物では、3部屋続き49畳の大広間、代官・郡代の日常生活に使われた「嵐山の間」(あらしやまのま)、裁判所の役割を果たした2ヶ所の御白洲(おしらす)などに往時を偲ぶことができます。

表門の前では毎朝、陣屋前朝市が開かれています(千葉県勝浦市、石川県輪島市の朝市とともに日本三大朝市に数えられています)。

高山陣屋
高山陣屋
名称 高山陣屋/たかやまじんや
所在地 岐阜県高山市八軒町1-5
関連HP 高山陣屋公式ホームページ
電車・バスで JR高山駅から徒歩10分
ドライブで 高山清見道路(中部縦貫自動車道)高山ICから約5.5km。または、長野自動車道松本ICから約80km
駐車場 市営神明駐車場(55台/有料)
問い合わせ 高山陣屋 TEL:0577-32-0643/FAX:0577-32-0612
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
陣屋前朝市

陣屋前朝市

岐阜県高山市、高山市街2ヶ所で開かれる朝市のひとつが陣屋前朝市。江戸時代に高山別院境内で始まった「桑市」を起源にもつという、飛騨高山の名物朝市のひとつ。養蚕業の不振から明治の半ばには野菜市となっています。通年に開催されるので、高山では早起き

上三之町(高山市三町伝統的建造物群保存地区)

上三之町(高山市三町伝統的建造物群保存地区)

岐阜県高山市、城下町・飛騨高山(ひだたかやま)の上三之町は、城下町の町人地として最初に造られた一番町、二番町、三番町(現在の一之町、二之町、三之町)の中心。上三之町を中心に一帯4.4ha(南北420m、東西150m)が高山市三町伝統的建造物

下二之町・大新町(高山市下二之町大新町伝統的建造物群保存地区)

下二之町・大新町(高山市下二之町大新町伝統的建造物群保存地区)

岐阜県高山市、城下町として発展した飛騨高山のうち、越中街道沿いの商人町が下二之町・大新町。高山市の中心部を横断する安川通り(国道158号)以北の東西180m、南北780m、面積6.6haは、高山市下二之町大新町伝統的建造物群保存地区(国の重

飛騨高山陣屋前夜市

飛騨高山陣屋前夜市|2024

2024年8月5日(月)〜8月6日(火)18:00〜20:30、岐阜県高山市で『飛騨高山陣屋前夜市』が開催。飛騨高山の夏の風物詩となっている高山陣屋前の夜市。朝市が行われる高山陣屋前の広場に特設ステージを設置し、ステージイベントのほか、飲食

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ