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荘川桜

荘川桜

高山市荘川町にある荘川桜は御母衣(みぼろ)ダム建設で水没した旧荘川村、御母衣集落・光輪寺、照蓮寺境内にあった推定樹齢450年のエドヒガンの古木2本を日本随一の桜研究家・笹部新太郎が苦心の末に湖畔を通る道路沿いに移植したもの。桜のあった場所から荘川桜と名付けられJ-POWER(電源開発)の手によって守り続けられています。

ダムの底に沈んだ御母衣集落にあった桜の巨木を移設

桜の大木を移植することは困難を極めましたが、電源開発株式会社(Jパワー)の初代総裁・高碕達之助は「なんとかこの桜を救えないものか」と尽力。
「桜男」とも称された笹部新太郎に依頼しますが、あまりに困難な作業からいったんは固辞されますが、高碕の熱意に打たれ、前代未聞の桜移植プロジェクトが始まります。
見事に活着した桜に「荘川桜」と命名したのは、電源開発総裁・藤井崇治です。

飛騨の山中にあるため、名古屋での桜(ソメイヨシノ)の開花から例年1ヶ月遅れで開花しています。
MIBOROダムサイドパークにある「MIBOROダムサイドパーク 御母衣電力館・荘川桜記念館」では、御母衣(みぼろ)ダム建設の歴史や荘川桜誕生にまつわるドラマ『桜守の詩』を150インチスクリーンで上映しているので寄り道をおすすめ(10:00〜16:00、水曜休・GW中は無休)。

国鉄バス名金急行線「さくら道」

御母衣ダム

名古屋駅から金沢駅まで、250kmを走った日本一の長距離バス路線だった旧国鉄バス「名金急行線」。
当時車掌として名金線に乗務した佐藤良二さん(現・郡上市の出身)は、ダム建設から奇跡的に蘇った「荘川桜」の生命力に感嘆し、太平洋と日本海を結ぶ「さくらの道」をつくろうと奮起します。

志半ばの47歳という若さで佐藤さんはこの世を去りますが、友人などの手で事業は引き継がれ、今も沿線で佐藤さんたちが植えた桜は4月下旬に美しく花を咲かせています。
佐藤さんは沿線に2000本ほどの桜を植栽し、起点となった名古屋市の名古屋城本丸前にはその1000本目、終着点の金沢市の兼六園に1500本目の桜が植栽され、現存しています。
「1号桜の碑」が名古屋市中川区のジェイアール東海バス名古屋支店敷地内に立っています。

「荘川桜」の苗木を育て、その苗木を乗車の合間を縫って名金線の沿線に植え続けた話は、昭和59年にNHKのドキュメンタリー『桜紀行〜名金線・もう一つの旅』にもなって当時、大きな話題となりました(平成16年3月NHKアーカイブスで再放送)。
さらに平成6年には映画『さくら』(主演・篠田三郎、監督・神山征二郎)として映画化され、平成21年に『読売テレビ開局50年記念ドラマ ダイワハウスドラマスペシャル・さくら道』としてテレビドラマ化されています。

荘川桜
名称 荘川桜/しょうかわざくら
所在地 岐阜県高山市荘川町中野
関連HP 高山市公式ホームページ
電車・バスで JR高山駅から濃飛バス白川郷行きで開花期のみ臨時バス停を設置。長良川鉄道美濃白鳥駅から岐阜バス桜の郷荘川行きで1時間6分、牧戸下車
ドライブで 東海北陸自動車道荘川ICから約9.5km
駐車場 荘川桜駐車場(70台/無料)
問い合わせ 高山市荘川支所 TEL:05769-2-2211
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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