日本の巨大ダム(湛水面積) ベスト10

日本の巨大ダム(湛水面積)

ダムの規模を測る物差しは、堤高(ていこう)、総貯水容量、湛水面積の3つがメインですが、目で見てはっきりとわかるダムの雄大さは、やはり湛水面積です。湖の広がりなどから大きなダム湖は自然湖のようです。中禅寺湖も自然湖に中禅寺ダムで補強したものですが、ここでは順位から除外しています(1140haで5位にランクイン)。

第1位 雨竜第一ダム|朱鞠内湖

湛水面積:2373ha
所在地:北海道雨竜郡幌加内町
水系・河川:石狩川水系・雨竜川
形式:重力式コンクリートダム
完成年:昭和18年
管理者:北海道電力
ダム湖:朱鞠内湖
備考:東京ドーム507個分という広大さで、周囲も40km。湖畔には日本最寒の地碑も

雨竜第一ダム

雨竜第一ダム

北海道雨竜郡幌加内町(ほろかないちょう)を流れる雨竜川上流部に築かれた堤高45.5mの重力式コンクリートダムが雨竜第一ダム。ダムは無名の存在ですが、ダム湖の朱鞠内湖(しゅまりないこ)は、湛水面積2373.0haで日本一広大な人造湖、そして原

朱鞠内湖

ブトカマベツ、ウツナイ、シュマリナイの3つの川をせき止め、昭和18年に完成した周囲97kmの人造湖が朱鞠内湖(しゅまりないこ)。広さ2373haという湛水面積は日本一。つまりは日本一の人造湖というわけです。しかも湖北東の母子里(もしり)は、

日本最寒の地碑

日本最寒の地碑

朱鞠内湖(しゅまりないこ)北東の母子里地区では、昭和53年2月17日に記録したマイナス41.2度を記録。これが日本国内における最寒温度の記録。国道275号沿いには、この最低記録を記念して造られた寒さをテーマにした公園「母子里クリスタルパーク

第2位 夕張シューパロダム|シューパロ湖

湛水面積:1500ha
所在地:北海道夕張市南部青葉町573
水系・河川:石狩川水系・夕張川
形式:重力式コンクリートダム
完成年:平成27年
管理者:国土交通省
ダム湖:シューパロ湖
備考:総貯水容量は日本4位

夕張シューパロダム(シューパロ湖)

夕張シューパロダム(シューパロ湖)

北海道夕張市を流れる夕張川の上流部に平成27年3月7日に完成したダムが夕張シューパロダム。堤高110.6mの重力式コンクリートダムで、北海道最大、日本国内最大級の多目的ダム。ダム湖はシューパロ湖と命名されています。ダム湖には、昭和37年に建

第3位 徳山ダム|徳山湖

湛水面積:1300ha
所在地:岐阜県揖斐郡揖斐川町開田
水系・河川:木曽川水系・揖斐川
形式:ロックフィルダム
完成年:平成20年
管理者:水資源機構
ダム湖:徳山湖
備考:貯水容量は日本一、堤高は日本3位の巨大ダム、東海3県の水がめ

徳山ダム(徳山湖)

徳山ダム(徳山湖)

岐阜県揖斐郡揖斐川町(いびがわちょう)の揖斐川上流部に建設された巨大なロックフィルダム(堤高161m)が徳山ダム。ダム建設に伴って、徳山村の全村が水没し、ダムの必要性と公共性のバランスが問われることになりました。ダム湖の徳山湖は、総貯水容量

第4位 奥只見ダム|奥只見湖

湛水面積:1150ha
所在地:新潟県魚沼市・福島県南会津郡檜枝岐村
水系・河川:阿賀野川水系・只見川
形式:重力式コンクリートダム
完成年:昭和35年
管理者:電源開発
ダム湖:奥只見湖(ダム湖百選)
備考:堤高157.0mは日本5位で、日本一高い重力式コンクリートダム、奥只見湖の総貯水容量は日本2位

奥只見ダム

奥只見ダム

新潟県魚沼市と県南会津郡檜枝岐村にまたがり、只見川(阿賀野川水系)最上流部に、只見川電源開発計画で昭和35年に完成した重力式コンクリートダムが奥只見ダム。完成から時を経ていますが、堤高157.0mは、重力式コンクリートダムでは日本一の高さを

奥只見湖(銀山湖)

奥只見湖(銀山湖)

奥只見シルバーライン(新潟県道50号小出奥只見線)の終点、奥只見ダムのダム湖が奥只見湖。正式名は、銀山湖ですが、奥只見湖と通称されています。標高750mに位置し、昭和35年、只見川をせき止めて建設された奥只見ダムのダム湖で、周囲の山々から豊

奥只見湖遊覧船

奥只見湖遊覧船

尾瀬への入口にもあたる奥只見ダムのダムサイト(奥只見遊覧船乗り場)から奥只見周遊コース、銀山平コース(奥只見〜銀山平/所要40分/不定期航路・利用日の1週間前まで、10名以上で奥只見観光に要予約、紅葉シーズンは定期運行)、尾瀬口コース(奥只

奥只見スロープカー

奥只見スロープカー

新潟県魚沼市、奥只見ダムのダム下の駐車場とダムサイト(ダム広場)を結ぶ乗り物が奥只見スロープカー。標高差50mを、片道約4分で結んでいます(定員40名、車イス利用可/有料)。一見すると小型のケーブルカーのようですが、実は鉄道の一種、索道(ケ

第5位 田子倉ダム|田子倉湖

湛水面積:995ha
所在地:福島県南会津郡只見町田子倉
水系・河川:阿賀野川水系・只見川
形式:重力式コンクリートダム
完成年:昭和34年
管理者:電源開発
ダム湖:田子倉湖(ダム湖百選)
備考:奥只見ダムに次ぐ、日本第2位の出力のある水力発電所、重力式コンクリートダムとしては堤体積日本2位、田子倉湖の総貯水量は日本3位

田子倉ダム(田子倉湖)

田子倉ダム(田子倉湖)

福島県南会津郡只見町を流れる只見川(阿賀野川水系)を堰き止めた重力式コンクリートダムが田子倉ダム(昭和35年10月完成)。堤高145.0m、堤頂長462.0m、上流にある奥只見ダム(ともに只見川の電源開発で建設)とともに日本有数のダムで、ダ

第6位 金山ダム|かなやま湖

湛水面積:920ha
所在地:北海道空知郡南富良野町金山
水系・河川:石狩川水系・空知川
形式:中空重力式ダム
完成年:昭和42年
管理者:国土交通省
ダム湖:かなやま湖(ダム湖百選)
備考:湖の周囲は、エゾマツやトドマツなどの原生林で、のんびりとカヌーも楽しむことができます(「NPO法人どんころ野外学校」などで実施)

金山ダム(かなやま湖)

金山ダム(かなやま湖)

北海道空知郡南富良野町を流れる空知川(石狩川水系)上流部にある昭和42年完成の多目的ダム(発電、洪水調整、上水道、農業用水確保)が金山ダム。堤高57.3mの中空重力式コンクリートダム(ダム内部に中空部を設けてコンクリートの使用量を削減)。

第7位 九頭竜ダム|九頭竜湖

湛水面積:890ha
所在地:福井県大野市長野
水系・河川:九頭竜川水系・九頭竜川
形式:ロックフィルダム
完成年:昭和43年
管理者:国土交通省・電源開発
ダム湖:九頭竜湖
備考:総貯水量は日本6位、湖に架る箱ヶ瀬橋は本四連絡橋・瀬戸大橋のプロトタイプとなった吊り橋

九頭竜湖(九頭竜ダム)

九頭竜湖(九頭竜ダム)

福井県大野市、一級河川・九頭竜川(くずりゅうがわ)水系九頭竜川に建設されたダムが九頭竜ダム。昭和34年の伊勢湾台風による洪水などの被害により、九頭竜川の治水利水が急務となり、九頭竜川の上流に九頭竜ダム(旧名は長野ダム)を建設。昭和43年に完

第8位 御母衣ダム|御母衣湖

湛水面積:880ha
所在地:岐阜県大野郡白川村御母衣
水系・河川:庄川水系・庄川
形式:ロックフィルダム
完成年:昭和36年
管理者:電源開発
ダム湖:御母衣湖
備考:ロックフィル式ダムとしては世界最大級、総貯水容量は日本5位、水没予定地から移植された荘川桜でも有名

御母衣ダム

御母衣ダム

関西方面への電力供給を目的に昭和35年、庄川をせきとめて造られた高さ131m、長さ405m、有効貯水量3億3000万立方メートルの大規模ダムが御母衣ダム(みぼろだむ/岐阜県白川村)。岩石を台形に積み上げ、中心部に粘土、外側に砂や砂利を入れて

荘川桜

荘川桜

高山市荘川町にある荘川桜は御母衣(みぼろ)ダム建設で水没した旧荘川村、御母衣集落・光輪寺、照蓮寺境内にあった推定樹齢450年のエドヒガンの古木2本を日本随一の桜研究家・笹部新太郎が苦心の末に湖畔を通る道路沿いに移植したもの。桜のあった場所か

第9位 池原ダム|池原湖

湛水面積:843ha
所在地:奈良県吉野郡下北山村
水系・河川:熊野川水系・北山川
形式:アーチダム
完成年:昭和39年
管理者:電源開発
ダム湖:池原湖(ダム湖百選)
備考:アーチダムとしては日本一の貯水量で総貯水容量は日本7位

池原ダム(池原湖)

池原ダム(池原湖)

奈良県吉野郡下北山村を流れる北山川(熊野川水系)に昭和40年に完成した堤高110.0mのアーチ式コンクリートダムが池原ダム。熊野川開発全体計画の中核施設となる発電用のダム。ダム湖の池原湖は、近畿地方最大の人造湖で、ダム湖百選に選定。ダム湖周

第10位 玉川ダム|宝仙湖

湛水面積:830ha
所在地:秋田県仙北市田沢湖玉川字下水無92
水系・河川:雄物川水系・玉川
形式:重力式コンクリートダム
完成年:平成2年
管理者:国土交通省
ダム湖:宝仙湖(ダム湖百選)
備考:東北3位の巨大人造湖、玉川の水質改善も目的のひとつ

玉川ダム(宝仙湖)

玉川ダム(宝仙湖)

秋田県仙北市、玉川(雄物川水系)に17年の歳月を費やして平成2年に完成した堤高高さ100.0mの重力式コンクリートダムが玉川ダム。治水、利水、そして温泉が流れ込む玉川の水質改善を目的にした多目的ダム。ダム湖の宝仙湖は、湛水面積830.0

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