岐阜県恵那市岩村町、城下町・岩村にある寛政8年(1796年)創業の老舗菓子店が、「松浦軒本店」。江戸時代に長崎より伝わった、ポルトガル伝来のカステーラの製法を、7代にわたって守り続けてきたというカステーラのほか、秋は特製栗きんとんなども並びます。
江戸時代、長崎留学の藩士から伝授された南蛮菓子カステーラ
松浦軒本店のカステーラは値段も手頃で土産にも最適。
江戸時代は屋号を「横屋」と称し、辰蔵を代々襲名し、明治以降に松浦軒本店となっています。
室町時代の終わり、長崎港でポルトガルの貿易商や宣教師によりカステーラは伝えられ、スペインの古き王国Castilla(カスティーリャ)で生まれたことが名の由来とされています(ポルトガルにはカステラはありません/コンペイトウ、ボーロもカスティーリャ由来)。
長崎では寛永元年(1624年)にポルトガル人がカステラを伝えたという「福砂屋」、天和元年(1681年)創業の「松翁軒」などの老舗がありますが、実は尾張・名古屋で正保元年(1644年)にカステラの記録があり、カステラが国内に流布し美濃にも伝わったのだと推測できます。
銅板造りの小釜で、1本1本を念入りに焼き上げるところが、「ポルトガル伝来のカステーラの製法」で、美濃国・岩村藩士の神谷雲沢(かみやうんたく)に伝授されたもの。
神谷雲沢は、長崎で訳官・小川善之丞に蘭学を学び、その神谷雲沢が長崎留学から岩村藩に戻った際、伝授されたと伝えられています。
地元の養鶏場で生まれた新鮮卵を使用するこだわりで、砂糖は上白糖、和三盆を使用。
卵などを石臼で撹拌し、生地が仕上がったら小釜にグラシンを敷いてオーブンで焼成と、すべて手作業で行なわれています。
松浦軒本店の建つ一角は、恵那市岩村町本通り伝統的建造物群保存地区。
古き町並みの中に老舗が店を構えているので、お見逃しなく。
松浦軒本店 | |
名称 | 松浦軒本店/まつうらけんほんてん |
所在地 | 岐阜県恵那市岩村町本町3-246 |
関連HP | 松浦軒本店公式ホームページ |
電車・バスで | 明知鉄道岩村駅から徒歩15分 |
ドライブで | 中央自動車道恵那ICから約15km |
問い合わせ | 松浦軒本店 TEL:0573-43-2541/FAX:0573-43-2594 |
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