岐阜県多治見市虎渓山町にある臨済宗南禅寺派の寺、虎渓山永保寺(こけいざんえいほうじ)。守護大名・土岐頼貞(ときよりさだ)の招きで、臨済宗の僧・夢窓疎石(むそうそせき)が開いたとされる名刹ですが、本堂である観音堂は、夢窓疎石滞在中の正和3年(1314年)築で、国宝です。
禅宗様を簡素化、日本化した仏殿
夢窓疎石は、この地を「山水の景物、天開図画の幽致なり」と賞して庵を結び、翌正和3年(1314年)、観音堂を建立。
同門の元翁本元(げんのうほんげん)に寺を譲って、元翁本元が開山となったのです。
「水月場」とも称される観音堂には、本尊の聖観世音菩薩坐像が安置され、毎年3月15日に公開されています。
方三間、入母屋造り、檜皮葺き、禅宗様の仏殿で、一見すると2階建てに見えますが、1層目は裳階(もこし)と呼ばれる庇(ひさし)です。
屋根が反り上がっているのも鎌倉時代に宋から禅宗とともに渡来した禅宗様建築の特徴のひとつ。
禅宗様では床は石敷きですが、この観音堂は板床など、禅宗様仏殿を基本にしながら、和様も取り入れ、その建築様式などから、実際には南北朝時代の築だと推測されています。
観音堂の前に広がる夢窓疎石作庭と伝わる庭園(国の名勝)と一体化して、幽幻な景観を生み出しています。
名称 | 永保寺・観音堂/えいほうじ・かんのんどう |
所在地 | 岐阜県多治見市虎渓山町1-42 |
関連HP | 永保寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR多治見駅からタクシーで7分 |
ドライブで | 中央自動車道多治見ICから約2.2km |
駐車場 | 100台/無料 |
問い合わせ | TEL:0572-22-0351/FAX:0572-22-0091 |
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