JR東日本の「普通列車グリーン車」の案内を見ると、運行エリアとして東海道本線は沼津まで、伊東線は伊東、常磐線は高萩、高崎線は前橋、宇都宮線は宇都宮、総武線快速は君津・上総一ノ宮・成東・成田空港までなどと記されています。でもこれは、運転されている範囲で、実際に旅で活用できる範囲とは異なります。
伊東駅までの直通する普通列車は数少ない
楽しい伊豆旅行、2階建てのグリーン車で伊東駅まで行くぞと思っても、東海道線(上野東京ライン)の伊東行きの列車は、東京駅なら15:07発が最初(始発は籠原駅で13:41発)。
伊東駅17:16着なので、土曜日にのんびり家を出て、夕方宿に入ればいいという人は使えるかもしれませんが、伊東で伊豆急線に乗り換えたり、最大限伊豆で遊ぶという人には伊東行きのグリーン車は活用できないことに。
熱海行きは比較的に本数が多いのですが、東京駅からはグリーン車に空席が少ないという欠点もあります。
その場合は、ファミリーなら国府津行き、小田原行きなどを利用し、グリーン車の乗り継ぎを検討する必要もあるでしょう。
同様に、沼津行きも東京駅発が早朝の5時台に2本なので、「青春18きっぷ」で東海道本線遠距離旅のスタートとして活用するくらいでしょうか。
逆に伊東駅発の下りは、17:45発宇都宮行き(東京駅20:05着)、18:44発籠原行き(東京駅20:58着)があって、帰宅は少し遅くはなりますが利用価値はあります。
2024年10月13日(日)から中央本線・青梅線のグリーン車連結が一部の列車で始まり、来春までは「お試し期間」として無料で乗車できますが、来春からは大月行き、青梅行きの全列車がグリーン車連結となるので、大月までグリーン車で旅をして、富士急行線(富士山麓電気鉄道)の「富士山ビュー特急」に乗り継ぐことができるようになります。
現在のダイヤで想定すると東京駅11:52発(土休日/平日は11:54発)の中央特快に乗車(高尾からは普通列車の扱い)すると、大月駅13:38着(土休日/平日は13:37発)で、富士山ビュー特急11号(平日13:45発、土休日13:44発)に接続しています。
2階建てグリーン車から富士山ビュー特急への接続ということで子どもたちにも人気の乗り継ぎとなるでしょう。
注意したいのは、新宿駅ではたぶん空席が少ない状態ということ。
始発の東京駅での乗車が賢明ということになるでしょう。
常磐線は土浦駅から先のグリーン車連結は数少ない
グリーン車の旅でもっとも注意したいのが、常磐線。
JR東日本の「普通列車グリーン車」の案内図では水戸の先、高萩までグリーン車が連結するかのような地図になっていますが、実は土浦止まりの普通列車が多く、その先に行く列車でもグリーン車は土浦駅で切り離されるケースが大部分。
東京駅6:44発(始発は品川駅で6:35発)の勝田行きは終点までグリーン車が併結され、水戸駅に8:45着、勝田駅8:51着。
つまり、常磐線の旅でグリーン車を活用する場合は、城下町・土浦散策や霞ヶ浦遊覧など、土浦駅で下車することになるのです。
横須賀線は、本数は少ないものの久里浜駅までグリーン車が連結され、やはり本数は限られますが東京駅始発もあり、なんとか旅に利用できます(ただし、久里浜までの場合は土休日なら京浜急行の快特の一部列車にある座席指定「ウィング・シート」もおすすめです)。
総武線快速は内房なら君津駅までグリーン車が利用できますが、その先の浜金谷、館山方面に乗り継ぐ場合は、ひと駅手前の木更津駅で下車しないと、すでに満席の内房線の列車に乗ることになります(内房線の列車は木更津駅始発)。
現在、内房線の特急「さざなみ」はごく限られた土休日にしか運転されていないので、実はこの君津行きのグリーン車は利用価値が大です。
外房線の上総一ノ宮駅行きは、本数が少ないので、外房方面は特急「わかしお」の利用がおすすめです。
高崎線も前橋までグリーン車の連結があるという表示ですが、そもそも前橋駅までの列車がほとんどないので、高崎駅までの利用というのが一般的です。
宇都宮線も宇都宮行きは比較的に本数があるので、餃子を食べに行く、日光線に乗り継ぐなど、旅としても利用価値があります。
なお、グリーン券は、事前購入の「Suicaグリーン料金」がお得です(50kmまで750円、100kmまで1000円、101km以上は1500円)。
首都圏の普通列車・グリーン車、旅に活用してどこまで行ける!? | |
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