伊香保温泉(群馬県渋川市)は、明治初期に「日本の温泉医学の父」といわれるベルツ博士(お雇い外国人・ドイツ帝国の医師)から国内で初めて、医学的温泉療法の指導を受けた名湯。伊香保温泉飲泉所は、伊香保神社から伊香保露天風呂に向かう途中にあり、だれでも気軽に温泉が飲用できます。
口に含むと、鉄分を感じる温泉らしい味が
伊香保温泉には古来からの黄金の湯(こがねのゆ)と、平成8年に給湯が始まった白銀の湯(しろがねのゆ)という2種類の源泉があります。
黄金の湯は、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉(中性低張性温泉)。
白銀の湯は、メタけい酸含有量が温泉法に定める成分量を超えているため温泉と表示できる湯。
このうち、温泉街の最上部、黄金の湯源泉近くにあるのが伊香保温泉飲泉所です。
黄金の湯は、源泉から石段街を使って配湯される伊香保独自のシステムで(日本初の温泉都市計画とも)、源泉に近いからピュアな湯を飲泉で楽しむことができるのです。
黄金の湯、湧出時には無色透明で、鉄分が含まれるため空気に触れると茶褐色に。
つまり、伊香保露天風呂や各宿の湯が茶色く濁って見えるのは、空気に触れて酸化しているから。
ピュアなうちは「無色透明」なのです。
伊香保温泉黄金の湯は、飲用すれば痛風、慢性アレルギー性疾患、肥満症などに効能があります。
飲泉所のある東屋には、ベンチも設置されているので、まずはのんびりと味わってみましょう。
ただし鉄分を含んだ温泉はお世辞にも「美味しい」とはいえず、口直しの水も用意されているほど。
飲泉所すぐ近くにかかる紅葉橋のたもとに「湯元呑湯道標」(ゆもとのみゆどうひょう)が設置されていることにも注目を。
ベルツ博士の指導で飲泉療法が盛んになり(実は現在でも入浴による温泉の効能は科学的に解明されたわけではなく、明治時代も飲泉による療法が大いに奨励されていました)、飲泉所(呑湯)が設置されました。
「右 榛名山二ツ嶽、左 湯元呑湯」と記された標石(しるべいし)は、温泉街・伊香保神社から飲泉所への道案内に明治23年に設置されたもの。
湯元というのは源泉のある地区一帯の字名(あざめい)なのです。
「湯元呑湯道標」は、渋川市の史跡に指定されています。
伊香保温泉飲泉所 | |
名称 | 伊香保温泉飲泉所/いかほおんせんいんせんじょ |
所在地 | 群馬県渋川市伊香保町伊香保湯元 |
関連HP | 渋川伊香保温泉観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR渋川駅から関越交通バス伊香保温泉行きで27分、終点下車、徒歩20分 |
ドライブで | 関越自動車道渋川伊香保ICから約11km |
駐車場 | 河鹿橋駐車場(18台/無料) |
問い合わせ | 渋川伊香保温泉観光協会 TEL:0279-72-3151 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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