石段の湯

石段の湯

群馬県渋川市、伊香保温泉(いかほおんせん)のシンボルでもある石段街の上り口右手に位置する共同浴場が石段の湯。地元の人もよく利用する蔵造りの浴場で、1階が浴場、2階が休憩室になっています。源泉は、旅館にも給湯されている1・2・4・5・6号泉の混合泉で、いわゆる黄金の湯(こがねのゆ)。

伊香保石段街入口にある素朴な共同湯

泉質は、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉。
硫酸塩泉の湯は、婦人病や不妊症などに効果があり、「子宝の湯」の別名もあります。

男女別の内湯のみで、露天風呂はありません。
源泉掛け流しですが、一等地に建っているので混雑することが多いのが難点。

伊香保温泉の歴史は古く、開湯は紀元前の2000年前ともいわれていますが、明治初期に来日したドイツ人医学者・E・V・ベルツ博士(Erwin von Bälz)が、その泉質を高く評価。
日本で初めて医学的温泉療法の指導をしたという名湯で、明治30年代に、石段街の旅館の主人たちが、旅行案内書や錦絵を使って、「ベルツ博士お墨付きの温泉」をPRし、夏には多くの避暑客を集めました。
その意味では、効能を謳い文句にした近代的な温泉リゾートの走りでもあるのです。

伊香保温泉の配湯システムにも注目を

石段街の上の最奥の山腹に湧出する源泉(黄金の湯)は、石段の下を流れ、各旅館や石段の湯に配湯されるという画期的なシステムになっています。

これは天正4年(1576年)、武田勝頼(たけだかつより)に仕えた木暮下総守祐利(現在のホテル木暮のルーツ)とその率いる騎馬六騎を合わせた7人が生み出したもので、石段の両側に温泉を給湯する旅館を配するという奇抜な温泉街の設計でした。
天正4年(1576年)は、長篠の戦いの翌年。
つまり、合戦で負傷した武田兵の療養温泉として整備した推測されるのです。

石段には温泉が流れる様子を眺める小間口もあるので、お見逃しなく。
源泉には、源泉湧出口観覧所があるほか、源泉近くに伊香保温泉飲泉所、伊香保露天風呂があります。

石段の湯
名称 石段の湯/いしだんのゆ
所在地 群馬県渋川市伊香保町36
関連HP 渋川市公式ホームページ
電車・バスで JR渋川駅から関越交通バス伊香保温泉行きで27分、終点下車、徒歩5分
ドライブで 関越自動車道渋川伊香保ICから約11km
駐車場 石段の湯駐車場(10台/無料)、石段街駐車場(29台/有料)、徳冨蘆花記念文学館駐車場(70台/有料)など
問い合わせ 石段の湯 TEL:0279-72-4526
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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