群馬県利根郡みなかみ町を流れる湯桧曽川に築かれた歴史ある砂防堰堤が、土合砂防堰堤(どあいさぼうえんてい)。昭和16年に完成した定半径アーチ式石積堰堤で、堤長112m、堤高11m。湯桧曽川に建設された群馬県初のアーチ式堰堤で、土木遺産に認定されています。
昭和16年完成、貴重なアーチ式の砂防堰堤
群馬県が湯桧曽川に築いた半円形のアーチ式堰堤。
外側に雑割石を積み、中詰めに玉石コンクリートを施工したもので、周辺は堅い河床岩盤だったため(岩盤が露出した部分)、下流部の洗掘防止の副堰堤などは設置されていません。
アーチ式になっているのは、地形上の問題で、落下水を中央に集める必要から。
築石は現地近くの原石を加工して使用していますが、従事した石工は昭和6年に完成した上越線清水トンネルの建設に携わった新潟県側からの作業員で、トンネル工事終了後もそのまま居住し、砂防堰堤の建設に従事したのです。
国道291号の土合駅を過ぎた土合橋から眺望可能。
すぐ近くに白毛門登山口駐車場があるので、車を駐車場に入れればのんびりと見学ができます。
かつては、土合駅で下車した谷川岳登山者が、この滝のような堰堤を眺め、記念撮影をしたのですが、いつの間にか忘れ去れてしまいました。
上越国境近くでは、新潟県側・湯沢町の大源太川第1号砂防堰堤もアーチ式(昭和14年完成/国の登録有形文化財、土木学会選奨土木遺産)で、戦前に完成したアーチ式の砂防堰堤は、芦安堰堤(昭和5年完成)など、全国に8基しかありません(すでに埋没したものも)。
土合駅〜土合橋の間で、上越線(上り線)の踏切を越えますが、踏切から上越国境側に見えるのが、昭和6年開通の清水トンネル・群馬側抗口です。
谷川岳ロープウェイの山麓駅「谷川岳ベースプラザ」にも近いので、谷川岳ロープウェイ利用の際にはお立ち寄りを。
土合砂防堰堤 | |
名称 | 土合砂防堰堤/どあいさぼうえんてい |
所在地 | 群馬県利根郡水上町湯桧曽 |
関連HP | 群馬県建設技術センター公式ホームページ |
電車・バスで | JR土合駅から徒歩10分 |
ドライブで | 関越自動車道水上ICから約12km |
駐車場 | 谷川岳ベースプラザ駐車場(1500台/有料、年末年始を除く12月〜4月は平日無料)、谷川岳インフォメーションセンター駐車場など |
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