取材班が選んだ珍地名も第4弾。世の中広いもので、有名な福島県の飯坂温泉には鼻毛なんて地名が。さらに土讃線の阿波池田駅前にはサラダ交差点もあります。いずれもちゃんとした地形由来の地名で、地形姓の鼻毛さんも全国に30人ほど暮らしています。
(7)鼻毛|福島県
鼻毛があれば尻毛もあり、脇毛とか眉毛がないのが地名の世界
鼻毛/福島県福島市飯坂町湯野鼻毛
飯坂温泉の小字(こあざ)にある鼻毛のほかにも、福島県郡山市三穂田町八幡鼻毛、群馬県前橋市鼻毛石町、宮城県仙台市泉区実沢鼻毛と、実は全国各地にある鼻毛という地名。
典型的な地形由来の地名で、「端(はな)」の「崩(くえ)」に由来しています。
飯坂温泉では、小字なので、残念ながら鼻毛共同浴場も、鼻毛公民館もありません。
鼻毛があれば他の部分の毛もあるのだろうと、推測したあなた、正解です。
岐阜市尻毛(しっけ)なんて地名、さらには名古屋鉄道揖斐線には尻毛駅(しっけえき/平成17年廃駅)もありましたし、大分県にはかつて下毛郡(しもげぐん)がありました(現在の中津市、耶馬溪町などです)。
川の氾濫も多発し、湿気の多い土地という意味で湿気が尻毛に転じたということですが、何も鼻毛や尻毛を当てなくてもという気もします。
世界を探せばエロマンガ島まである地名の世界ですが、残念ながら脇毛とか眉毛という地名はありません。
(8)サラダ|徳島県
阿波池田駅は、毎日がサラダ記念日!
サラダ/徳島県三好市池田町サラダ
阿波池田駅は、徳島県三好市池田町字サラダ1840に位置しています。
ボンネットバスが発着する阿波池田バスターミナルのサラダですし、野口雨情の歌碑もサラダにあります。
サラダ交差点なんて聞くと少しドキッとしますが、地区が皿のような地形で、漢字で書くと皿田になります。
つまりは皿のような田んぼがあったことに由来する名前。
実は山の中の田んぼで山田さんというように、皿のような田んぼの皿田さんも地形姓で、全国に600人ほどが暮らしています。
漢字の皿田でもいいはずですが、阿波池田ではあえて地名をカナ表記にしたのはなぜでしょう。
明治初年の地租改正の際、カタカナにわざわざ変更しているので、理由があるはずです。
周囲の町名もシンマチ、ウヱノとカナ表記なので、揃えたとも、皿田ではサラダなのかサラタなのか分かりづらいという親切心からなのか、あえてサラダとカナ表記に。
明治7年〜9年に出版の服部撫松(はっとりぶしょう)が著した『東京新繁昌記』には撒拉托という漢字を当てているくらいまだまだサラダは一般的ではなかった時代。
サラダ(salad)をイメージしてカナにしたとは考えられないので、周囲に合わせてということに。
取材班が選んだ珍地名(4)鼻毛&サラダ | |
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