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雄橋

雄橋

広島県庄原市東城町、帝釈峡(たいしゃくきょう)の上帝釈峡エリアにある天然の橋が雄橋(おんばし)。帝釈川の渓流の浸食作用で、高さ40mの巨大な石灰岩の岩盤の下部が長い年月をかけて貫通した石灰岩の洞門(国の天延記念物)。探勝は弥生食堂前(第2駐車場)起点の散策がおすすめです。

石灰岩台地が生んだ、日本を代表する天然橋

全長90m、幅18m、厚さ24mで、カルスト地帯(石灰岩台地=石炭紀~ペルム紀、3億5000年前〜2億5000年前に形成された帝釈石灰岩)にある鍾乳洞の一部が残されたものと推測されています。

天然橋(てんねんきょう)の一種で、米国天然橋協会では、水流が開口の形成の主な要因、水流が開口を通って流れていること、人間によって、道路の一部を支える橋として用いられている(用いられていた)こと、開口部の上に水平な頂部があるなど人間が作った橋の外観を備えていることを天然橋(natural bridge)の定義としていますが、雄橋はそれにもドンピシャリと当てはまる日本国内の典型例。
河川や雨の侵食による天然橋としては、アメリカ・バージニア州のナチュラル・ブリッジ(Natural Bridge)とよく似た外観です。

橋の尾根部分にある踏み跡はかつて東城から庄原へ通じた旧街道(東城往来)で、馬や籠、明治以降は馬車道にもなっていました(昭和初期まで使われていました)。
広島藩の儒学者・頼杏坪(らいきょうへい)が、雄橋のことを鬼橋や神橋と紹介しているように、山の神が鬼に命じて一夜のうちに架けたという伝承もあり、行き交う旅人たちも畏怖の念で眺めたことでしょう。

平成21年公開の映画『TAJOMARU』(たじょうまる/監督・中野裕之、主演・小栗旬)で畠山直光・新多襄丸(小栗旬)が馬で洞門を駆け抜けるシーンを撮影したロケ地にもなっています。

遊歩道への車での進入は制限されており、散策する人との事故も想定されるため、車は弥生食堂前(第2駐車場)に入れるのがおすすめ。
雄橋まで徒歩25分(ほぼ平坦な道です)。
帝釈峡の代表的な鍾乳洞「白雲洞」から徒歩15分。
永明寺(第1駐車場)~弥生食堂前(第2駐車場)~白雲洞~唐門~雄橋~断魚渓~素麺滝と、永明寺(第1駐車場)を起点に素麺滝を往復して2時間ほど。
第1駐車場の弥生食堂でレンタサイクルを借りることもできます。

上帝釈峡エリアの紅葉の見頃は、例年10月下旬から11月上旬頃。

雄橋誕生のメカニズムは!?

雄橋上部の石灰岩

太古、サンゴ礁の海底にあった地層(サンゴや貝類が海底に堆積してできた地層)が日本列島にぶつかり、300万年前ほど前から隆起して台地を形成したもの。
その後、炭酸カルシウムを多量に含む石灰岩の台地は、雨や流水に含まれる二酸化炭素に反応して次第に溶かされ、鍾乳洞や大きな凹地を形成。
石灰岩洞の屋根が陥没して帝釈峡が誕生し、その一部が洞門として残されたのだと推測されています。

ちなみに、雄橋と対になる雌橋(めんばし)は、帝釈川を2kmほど下った場所に位置していますが、神竜湖(帝釈川ダムのダム湖)の一部になっていて、見学が困難です。
白雲洞近くの鬼の唐門も同様に石灰岩の溶食洞門です。
鍾乳洞も白雲洞、天川洞、荒瀬洞などがあり、一帯は「帝釈川の谷」として国の名勝に指定されています(帝釈峡、帝釈川は、帝釈峡上端にある石雲山永明寺の「帝釈天」に由来)。

雄橋
名称 雄橋/おんばし
所在地 広島県庄原市東城町帝釈未渡
関連HP 帝釈峡観光協会公式ホームページ
ドライブで 中国自動車道東城ICから約12km
駐車場 440台/有料(自然環境保全協力金として)
問い合わせ 帝釈峡観光協会 TEL:0847-86-0123
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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