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千歳市埋蔵文化財センター展示室

北海道千歳市、旧長都(おさつ)小中学校の校舎を再生した施設で、世界遺産「北海道・北東北の縄文遺産群」の構成資産となるキウス周堤墓群のガイダンス施設。館内ではキウス周堤墓など千歳市の遺跡から出土した遺物を収蔵展示しています。

千歳の古代を解説する充実の展示

廃校となった旧長都小中学校を再生
美々4遺跡から出土の動物形土製品

千歳市埋蔵文化財センター展示室の館内では、「千歳のおいたち」、「こころの文化」、「くらしの文化」、「長都のうつりかわり」の4つのテーマに分けて、千歳の歴史を展示解説。
火山灰に埋もれて奇跡的に現代に伝わった旧石器時代の遺物も展示されています。

丸子山遺跡(千歳市中央)から出土した旧石器時代の石器、縄文時代から擦文時代までの土器、ママチ遺跡(千歳市真々地4丁目)から出土の土製仮面(縄文時代の土製仮面としては最北の出土で国の重要文化財、複製品)、ナイベツ川付近で見つかった板状の人形(土偶/千歳市指定有形文化財)、新千歳空港建設のために発掘された美々4遺跡から出土の動物形土製品(国の重要文化財、複製品)、朝日町で出土した350年前(近世)のアイヌ期の丸木舟などが展示されています。

展示室廊下の壁は、美々貝塚北遺跡からはぎ取った貝層実物パネルが展示され、飽きることがありません。

キウス周堤墓群などに代表される千歳の縄文文化を知るだけでも訪れる価値は十分あります。

展示室の床の青色のラインは縄文時代の、緑色は続縄文時代、灰色は擦文文化時代の住居の大きさを示しているので足下にも注意が必要。

貝層実物パネル
貝塚には鹿の骨なども混じっています

北海道の旧石器時代

年平均気温が今より8度も低かった2万年前の北海道は、海岸線は現在よりも約100mほど低い場所に位置していました。
間宮海峡、宗谷海峡は陸続きで、大陸(シベリア)からマンモス、オオツノジカ、ヘラジカが北海道へと渡ってきました。
さらにそれを追って人間もやってきました。

千歳市では、中央の丸子山遺跡、日の出丘の祝梅下層遺跡、柏台の柏台1遺跡でその生活の様子が発掘されていますが、火山灰が風によって二次的に堆積した古砂丘の上に残された遺跡です。
樽前山の噴火による火山灰に厚く覆われていたことで奇跡的にも古代人の生活跡が残されたのです。

丸子山遺跡からは千歳最古の旧石器が出土しています。

千歳市埋蔵文化財センター展示室
名称 千歳市埋蔵文化財センター展示室/ちとせしまいぞうぶんかざいせんたーてんじしつ
所在地 北海道千歳市長都42-1
関連HP 千歳市公式ホームページ
ドライブで 道東自動車道千歳東ICから約7km
駐車場 10台/無料
問い合わせ 千歳市埋蔵文化財センター TEL:0123-24-4210
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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