福井県敦賀市にある越前国一之宮の氣比神宮(けひじんぐう)。大鳥居は南北朝時代の康永2年(1343年)の暴風で倒壊していたものを、江戸時代初期の正保2年(1645年)、佐渡から調達した榁(むろ)の木で再建したと伝えられています。高さ10.93m、主柱間7.45mという巨大な両部鳥居で、「日本三大木造鳥居」のひとつ。
密教の思想を反映した両部鳥居が立つ
八角の控柱の上に笏谷石(しゃくだにいし=現在の福井市・足羽山で産する火山礫凝灰岩。越前青石とも)の笠を載せ、基礎部もまた笏谷石。
両部鳥居の両部とは真言密教の金胎両部伝法灌頂(こんたいでりょうぶ・でんぽうかんぢょう)で、「金胎」とは、宇宙的世界観を表す金剛界(こんごうかい)と胎蔵界(たいぞうかい)を意味する言葉。
霊亀元年(715年)、境内に神宮寺(朝廷と結びつき神社を管理する寺)が創建されています(日本で最初の神宮寺)。
有力な神社までが国家仏教の体制に組み込まれ、神仏習合が進む、平安時代の歴史の典型例となっています。
つまり、参道に仏教的な両部鳥居が立っているのは明治の神仏分離令以前、神仏習合の氣比社・神宮寺時代の名残で、国の重要文化財にも指定されています。
ちなみに、「日本三大鳥居」、「日本三大木造鳥居」に数えられる有名な厳島神社の大鳥居、熊野信仰の熊野速玉神社の鳥居なども両部鳥居です。
氣比神宮・大鳥居 | |
名称 | 氣比神宮・大鳥居/けひじんぐう・おおとりい |
所在地 | 福井県敦賀市曙町11-68 |
関連HP | 氣比神宮公式ホームページ |
電車・バスで | JR敦賀駅から徒歩15分。またはJR敦賀駅コミュニティバス「はぎ号」で5分、気比神宮前下車 |
ドライブで | 北陸自動車道敦賀ICから約2km |
駐車場 | 100台/無料 |
問い合わせ | 氣比神宮 TEL:0770-22-0794 |
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