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敦賀赤レンガ倉庫・鉄道と港の「ジオラマ館」

敦賀赤レンガ倉庫・鉄道と港の「ジオラマ館」

福井県敦賀市金ケ崎町、明治38年にアメリカの石油会社が備蓄用に建設した赤レンガ倉庫2棟のうち北棟が、鉄道と港の「ジオラマ館」。建設110周年で、「鉄道と港のまち敦賀」のジオラマ展示施設に再生したもので、館内では戦前の敦賀港・敦賀港駅周辺を精密なジオラマで再現しています。

昭和10年代の敦賀を再現した巨大ジオラマが圧巻!

天然の良港として北前船(西廻り航路)の寄港地、風待ち湊、そして京都への積み下ろし港にもなっていた敦賀ですが、明治維新後には、すぐに(明治2年)鉄道敷設が決定し、明治4年、敦賀〜長浜間の測量が開始されています。
早くも明治15年に敦賀駅〜長浜駅間の鉄道開業し、長浜で大津とを結ぶ鉄道連絡船に連絡、それまで関門海峡を回っていた西廻り航路の物流が大きく改変され、京阪神への物資輸送の大変革が生まれました。
さらに明治23年、ロシア皇帝がシベリア鉄道建設を発表したことを受け、将来のロシア貿易を見通して敦賀は貿易港への請願を開始、明治32年7月に国際貿易港に指定されます(明治30年代には日露戦争の開戦で北前船の歴史に終止符を打っています)。

そして明治35年には敦賀港〜ウラジオストク港間の直通定期船の就航、明治40年、ヨーロッパへの玄関口として、横浜・神戸・関門とともに第1種重要港湾に指定。
さらに明治45年、新橋駅〜金ヶ崎駅間の欧亜国際連絡列車の運行が始まり(当時のヨーロッパへの最短ルート)、ヨーロッパへの玄関口としても機能しています。

昭和15年〜昭和16年、杉原千畝(すぎはらちうね)が発給したビザを持ったユダヤ難民、敦賀港に上陸していますが、当時の様子を再現したのが鉄道と港の「ジオラマ館」のジオラマです。
全長27m、最大奥行き7.5mという巨大なジオラマは、「ノスタルジオラマ」と呼ばれるように、D51などの蒸気機関車、ディーゼル機関車が走り、滋賀県との県境の山岳地帯を越える線路は、スイッチバックとループ線が再現されています。

ジオラマは昭和20年(敦賀空襲被災時)の復元地図を参考に、戦前の敦賀80分の1スケールで再現し、マスコンハンドルとブレーキレバーを使ってスイッチバックや鳩原ループ線を運転したり、満州の大連とを結んだ貨客船「熱田丸」を動かすこともできます。
日本海横断航路の花形貨客船「気比丸」の出航シーンは、紙テープが舞い、にぎやかな感じです。
この「気比丸」は、日本が参戦する以前の昭和16年11月、清津から敦賀に向かう途中、ソ連が敷設して日本海に流出した機雷に接触する事故を起こして沈没、156人の死者を出す気比丸遭難事件を生んでいるので、ジオラマは昭和16年11月以前ということに。

敦賀赤レンガ倉庫は、日本遺産「海を越えた鉄道 ~世界へつながる 鉄路のキセキ~」の構成資産にもなっていますが、このジオラマは、ヨーロッパへの玄関口だった時代の様子が実によくわかるものになっています。

画像協力/福井県

敦賀港駅
敦賀赤レンガ倉庫・鉄道と港の「ジオラマ館」
名称 敦賀赤レンガ倉庫・鉄道と港の「ジオラマ館」/つるがあかれんがそうこ・てつどうとみなとの「じおらまかん」
所在地 福井県敦賀市金ケ崎町4-1
関連HP 敦賀赤レンガ公式ホームページ
電車・バスで JR敦賀駅からぐるっと敦賀周遊バスで11分、赤レンガ倉庫下車
ドライブで 北陸自動車道敦賀ICから約3km
駐車場 60台/無料
問い合わせ 敦賀赤レンガ TEL:0770-47-6612/FAX:0770-47-6613
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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