国の重要文化財に指定される「電車」は、全国にわずか3両!

国の重要文化財に指定される「電車」

国の重要文化財に指定される電車は、地下鉄、通勤電車、路面電車の3タイプ。地下鉄博物館(東京都江戸川区)に静態保存される東京地下鉄道1000形1001号車、鉄道博物館(埼玉県さいたま市)のナデ6110形式6141号電車、平安神宮・南神苑(京都市)の京都市交通局二号電車の3両です。

東京地下鉄道1000形1001号車|地下鉄博物館

保存場所:地下鉄博物館
所在地:東京都江戸川区東葛西6-3-1 東京メトロ東西線葛西駅高架下
製造年月日:昭和2年11月
製造場所:日本車両製造
重要文化財指定日:平成29年9月15日
重要文化財に指定される要因:日本初の地下鉄として昭和2年12月30日から上野~浅草間を走った電車
概要:東京地下鉄道が上野~浅草間で営業運転(昭和2年12月30日)を開始する直前に製造され、東洋初の地下鉄として営業を開始した上野~浅草間2.2kmを走行した車両
昭和43年4月に営業運転を引退するまで活躍
全鋼製、自動扉、自動列車停止装置の採用などの防災・安全対策や、内装、照明、吊り手なその乗客向けの設備に地下鉄ゆえの特徴が見られ、我が国の地下鉄電車の嚆矢(こうし)であるとともに、後の地下鉄車両の規範となった車両

地下鉄博物館の「東京地下鉄道1000形」が国の重文に

東京・葛西にある地下鉄博物館に展示される「東京地下鉄道1000形1001号車」(日本初の地下鉄車両1001号車)が、平成29年9月15日付けで国の重要文化財に指定されています。日本初の地下鉄として昭和2年12月30日から上野~浅草間を走った

ナデ6110形式6141号電車|鉄道博物館

保存場所:鉄道博物館
所在地:埼玉県さいたま市大宮区大成町3-47
製造年月日:大正3年3月31日
製造場所:鉄道院新橋工場
重要文化財指定日:平成29年9月15日
重要文化財に指定される要因:ボギー電車としては現存する最古の車両で(都市近郊における鉄道輸送の需要増大に対応するため、鉄道院で初の3扉車として開発されたもの)、通勤電車の原型的な存在
概要:鉄道院最初のボギー電車(車体の前後に2軸の台車を装着した車両)として明治42年に製造されたホデ6100形式の改良タイプ(全長16m、座席48人、吊手44人で、定員92名)

鉄道博物館・ナデ6110形式6141号電車

鉄道博物館・ナデ6110形式6141号電車

埼玉県さいたま市大宮区、ニューシャトル鉄道博物館駅近くに建つのが、「てっぱく」の愛称で呼ばれる鉄道博物館。国の重要文化財・鉄道記念物となっているのがナデ6110形式6141号電車。大正3年3月31日、鉄道院新橋工場で完成した木造ボギー電車で

京都市交通局二号電車|平安神宮・南神苑

保存場所:平安神宮・南神苑
所在地:京都府京都市左京区岡崎西天王町60
製造年:明治44年
製造場所:梅鉢鉄工場(堺の鍛冶業の家に生まれた梅鉢安太郎が明治中期に創設した堺市内にあった鉄道車両メーカー)
重要文化財指定日:令和2年9月30日
重要文化財に指定される要因:電動機や台車など一部に外国製品を用いているものの、1両編成の先駆的な車輌
概要:全長8.23m、幅1.98mで、現存している京都電気鉄道の車輌のうち製造年代が最古級の車両
京都電気鉄道は、後発の京都市電と競合し、大正7年に京都市によって買収されたため京都電気鉄道二号電車は、京都市交通局二号電車になっています
昭和36年に北野線が廃止されるまで走行を続け、翌年、平安神宮が京都市から車両をもらい受け、南神苑で静態保存
「博物館明治村」(愛知県犬山市)に動態保存されている、京都市電1号・2号、京都市の梅小路公園で動態保存される27号車も梅鉢鉄工所が製造したものです

京都市交通局二号電車

京都市交通局二号電車

京都府京都市左京区、平安神宮の南神苑、その南端に静態保存されているのが、京都市交通局二号電車。明治44年、堺市の梅鉢鉄工場で製造された車輌で、電動機や台車など一部に外国製品を用いているものの、1両編成の先駆的な車輌として国の重要文化財に指定

国の重要文化財に指定される「電車」は、全国にわずか3両!
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