岩手県奥州市胆沢にある墳丘長43m〜45mの前方後円墳が角塚古墳(つのづかこふん)。規模はさほど大きくありませんが、実はこの古墳、岩手県では唯一の、しかも日本最北の前方後円墳なのです。古墳の墳丘は葺石で覆われ、埴輪が並んでいたと推測され、築造は、5世紀末〜6世紀初頭(古墳時代中期)。
日本最北の前方後円墳
昭和49年〜昭和50年、胆沢町教育委員会が行なった角塚古墳の初めての周湟調査により出土した埴輪は、円筒埴輪と形象埴輪の一部で、角塚古墳出土埴輪として、岩手県の文化財に指定。
往時の姿を留めてはいませんが、岩手県下で唯一の、埴輪をもつ前方後円墳、しかも最北の前方後円墳ということで、ヤマト王権の北限とも推測できます(国の史跡)。
地元の伝承では、高山掃部長者(たかやまかもんちょうじゃ)の妻が大蛇に変身し、農民を苦しめていたところを小夜姫(さよひめ)が経文の力で退治し、その大蛇の角を埋めたのがこの古墳ということに。
また、大蛇の角が埋まっているため、古墳に手を付けると祟りがあるといわれ、その伝承で古墳が破壊されることを免れたという側面も。
角塚古墳の北西2kmでは、角塚古墳と同時期の大集落跡の中半入遺跡が発見されており、角塚古墳造営に関わった人々の住居跡も見つかっています。
角塚古墳の北東700mの場所から古墳時代中期後葉~後期前葉頃の円墳4基と墳丘をもたない、土壙墓12基が発見されており、角塚古墳以降の複数の地域有力者の共同墓地であった可能性が推測されています。
ちなみに、日本最南の前方後円墳は鹿児島県肝付町(きもつきちょう)の塚崎51号墳(花牟礼古墳)です。
角塚古墳 | |
名称 | 角塚古墳/つのづかこふん |
所在地 | 山形県奥州市胆沢南都田塚田 |
関連HP | 奥州市公式ホームページ |
電車・バスで | JR水沢駅からタクシーで15分 |
ドライブで | 東北自動車道水沢ICから約7km |
駐車場 | 角塚古墳公園駐車場を利用 |
問い合わせ | 奥州市歴史遺産課 TEL:0197-34-1316 |
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