JR東日本 赤字ローカル線 TOP20

JR東日本 赤字ローカル線

JR東日本(2022年度分/2023年11月発表)の赤字ローカル線のTOP(赤字ワースト)は、羽越本線の村上駅〜鶴岡駅で、49億4600万円。運輸収入が4億5300万円だったのに対し、営業費用は54億円もかかっています(前年度よりも5200万円減)。2022年度分の赤字ローカル線TOP20(ワースト20)を紹介します。

関東周辺にも小海線、水郡線、内房・外房線に大幅赤字区間が

赤字2位は奥羽本線の東能代駅~大館駅で、34億7800万円、3位の羽越本線の酒田駅〜羽後本荘駅の31億800万と続きます。
羽越本線の酒田駅〜羽後本荘駅は、赤字幅が前年に比べて最も拡大した路線です。

国鉄の分割民営化でJRが誕生した1987年度との利用者数の比較では、津軽線の青森駅~中小国駅が95%減、奥羽本線の新庄駅〜湯沢駅が94%減、山田線の上米内駅~宮古駅が91%減となんと9割以上減っていることもわかります。

豪雨被害で復旧のめどが立っていない米坂線の一部区間(今泉駅〜小国駅、小国駅〜坂町駅)や、国道のトンネル工事に伴って長期運休だった陸羽西線(新庄駅〜余目駅)は公開の対象から外れています。

関東近県では、上越線の清水トンネル部分の水上駅~越後湯沢駅が5位の20億3800万の赤字。
高原列車で有名な小海線の小淵沢駅~小海駅(12位)、内房線・館山駅~安房鴨川駅(13位)、水郡線・常陸大宮駅〜常陸大子駅(15位)、外房線・勝浦駅〜安房鴨川駅(16位)も10億以上の赤字路線となっています。

利用者1人当たりに換算すると、豪華寝台列車に乗るよりもある意味、「オトクな旅」ということになるのかもしれません。

順位線名区間営業
キロ
運輸収入
(百万円)
営業費用
(百万円)
収支
(百万円)
収支率
(%)
JR後の
増減
1位羽越本線村上~鶴岡80.04535400△ 49468.4%△79%
2位奥羽本線東能代~
大館
47.51813478△ 32965.2%△80%
3位羽越本線酒田~
羽後本荘
62.01663108△ 29415.4%△84%
4位奥羽本線大館~弘前44.21292555△ 24255.1%△81%
5位上越線水上~
越後湯沢
35.11182038△ 19205.8%△70%
6位津軽線青森~中小国31.4661842△ 17763.6%△95%
7位五能線能代~深浦63.0321724△ 16921.9%△79%
8位奥羽本線湯沢~大曲36.61761804△ 16279.8%△73%
9位山田線上米内~宮古92.2301631△ 16001.9%△91%
10位五能線深浦~
五所川原
58.8641639△ 15753.9%△73%
11位奥羽本線新庄~湯沢61.8561619△ 15633.5%△94%
12位小海線小淵沢~小海48.3861556△ 14705.6%△65%
13位内房線館山~
安房鴨川
33.51241368△ 12439.1%△71%
14位釜石線遠野~釜石44.2731312△ 12395.6%△77%
15位水郡線常陸大宮~
常陸大子
32.2691301△ 12325.3%△71%
16位外房線勝浦~
安房鴨川
22.41481370△ 122210.8%△74%
17位八戸線鮫~久慈53.1591280△ 12214.6%△81%
18位釜石線花巻~遠野46.01401280△ 113911.0%△64%
19位磐越西線津川~五泉28.7311157△ 11262.7%△82%
20位石巻線小牛田~女川44.71311247△ 111610.5%△70%
2022年度分/JR後の増減は、国鉄の分割民営化でJRが誕生した1987年度との利用者数の比較
JR東日本 赤字ローカル線 TOP20
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