「各線区の営業費用を運輸収入で割り、100をかけた値」が営業係数。簡単にいえば、100円の収入を得るためにいくらかかっているかということ。路線別の赤字の総額ではなく、乗客1人あたりの経費。この数字が大きければ大きいほど、「贅沢な乗り物」、「乗り得路線」ともいえるわけで、TOP5は、なんと1万円オーバーです。
久留里線は100円稼ぐのに1万6821円使う区間も!
利用客の多い山手線は、頻繁に電車が来るので便利な路線ですが、営業係数は50台。
大阪環状線は60台くらいだと推測できます。
つまりは100円の収入を得るために、山手線は50円しかかかっておらず、単純に山手線だけで収支を考えると、JR東日本は大儲けで、利用者は、余分にお金を払っているということになります。
逆にJR東日本管内の営業係数の大きい、収益率の悪い路線を見ると、TOP5(実際にはワースト5ですが)は、なんと100円稼ぐのに1万円以上を使うという大盤振る舞い。
TOPの久留里線(久留里駅〜上総亀山駅/9.6km)は100円稼ぐのに1万6821円を使うことになり、この区間を乗ると、豪華観光列車に乗るよりも、ゴージャスな気もします。
久留里駅〜上総亀山駅は乗車券210円なので、この区間だけ乗車すると、1万6821円×2.1で、単純計算するとJR東日本は3万5324円を費やして乗客を運んでいることに。
久留里線は盲腸線で、終点の上総亀山駅近くには関東でもっとも遅くまで紅葉が楽しめるという亀山湖、湖畔に湧く亀山温泉もあるので、「ゴージャスな列車旅」を楽しんでの温泉旅行もおすすめです。
2位の陸羽東線も鳴子温泉駅〜最上駅間(20.7km)は、100円を稼ぐのに1万5184円を使っている路線で、鳴子温泉から山形県側の瀬見温泉(山形県最上郡最上町/陸羽東線・瀬見温泉駅下車)をはしごすれば、このゴージャス路線に乗ることができます。
また鳴子温泉駅〜最上駅間は紅葉の絶景区間としても有名です(とくに鳴子温泉駅〜中山平温泉駅間の鳴子峡)。
JR東日本「乗り得路線」 TOP15
順位 | 線名 | 区間 | 営業キロ | 営業係数 | 民営化時との比較 |
1位 | 久留里線 | 久留里駅〜上総亀山駅 | 9.6km | 1万6821 | △93% |
2位 | 陸羽東線 | 鳴子温泉駅〜最上駅 | 20.7km | 1万5184 | △90% |
3位 | 磐越西線 | 野沢駅〜津川駅 | 30.8km | 1万3980 | △94% |
4位 | 飯山線 | 戸狩野沢温泉駅〜津南駅 | 30.4km | 1万2746 | △91% |
5位 | 花輪線 | 荒屋新町駅〜鹿角花輪駅 | 32.1km | 1万751 | △94% |
6位 | 五能線 | 能代駅〜深浦駅 | 63.0km | 5386 | △79% |
7位 | 山田線 | 上米内駅〜宮古駅 | 92.2km | 5337 | △91% |
8位 | 北上線 | ほっとゆだ駅〜横手駅 | 25.9km | 4244 | △89% |
9位 | 大糸線 | 白馬駅〜南小谷駅 | 10.4km | 3944 | △89% |
10位 | 只見線 | 只見駅〜小出駅 | 46.8km | 3836 | △71% |
11位 | 磐越西線 | 津川駅〜五泉駅 | 28.7km | 3691 | △82% |
12位 | 只見線 | 会津坂下駅〜会津川口駅 | 39.2km | 3448 | △66% |
13位 | 磐越西線 | 喜多方駅〜野沢駅 | 25.0km | 3427 | △82% |
14位 | 磐越東線 | いわき駅〜小野新町駅 | 40.1km | 3283 | △80% |
15位 | 飯山線 | 飯山駅〜戸狩野沢温泉駅 | 8.3km | 3029 | △81% |
1万円以上かけて100円の収入! 営業係数は最悪の「乗り得路線」 TOP15 | |
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