「日本一縦長のアーチダム」が関東に! 狭い峡谷が絶景を生む

川俣ダム

堤高日本一のアーチダムは、北アルプス山中の黒部ダムで、その高さは186m。それでも堤頂長は492mもあるので縦横比は、2.65:1でかなり横長です。そんな黒部ダムに対して、堤高117m、堤頂長131m、縦横比1:1.12とほぼ正方形のダムが関東に。それが川俣ダム(栃木県日光市)で、狭い峡谷が絶景を生み出しています。

峡谷に架かる吊橋で、縦長を確認

川俣ダム

川俣ダムは、昭和41年に完成した鬼怒川の最上流に位置する多目的ダムですが、瀬戸合峡と呼ばれる奥鬼怒の景勝地に築かれたため、ダムとしては珍しい縦長になっているのです。

高さ100mもの断崖が鬼怒川の両岸に迫り、その断崖をクネクネと栃木県道23号(川俣温泉川治線)が走っています。
かつては断崖にへばりつくように県道が通っていましたが、ダム工事で新道が完成し、旧道となっています。

地質的には、かつての奥鬼怒カルデラの火山活動(火砕流)を物語る石英粗面岩質の溶結凝灰岩。
両岸の岩質も脆いため補強され、さらにダム堰堤も高品質なコンクリートが使われています。

下流側に人道橋の「渡らっしゃい吊橋」が架かっていて、そこからダムを眺めると、「よくこんな場所にダムを築いたな」とも、「思った以上に縦長」ということが実感できるでしょう。

栃木県道23号(川俣温泉川治線)を使い、ダム湖湖畔の駐車場に車を入れ、ダムサイトから瀬戸合峡遊歩道を歩いて「渡らっしゃい大橋」に到達するので、なるべくならハイキング程度の服装、歩きやすい靴が便利です(冬期は積雪のため瀬戸合峡遊歩道は閉鎖となります)。

川俣ダム
川俣ダムと「渡らっしゃい吊橋」
「日本一縦長のアーチダム」が関東に! 狭い峡谷が絶景を生む
所在地 栃木県日光市川俣646‐1
場所 川俣ダム
電車・バスで 東武鬼怒川温泉駅から市営バス女夫渕温泉行きで約1時間15分、川俣平家塚下車、徒歩30分
ドライブで 日光宇都宮道路今市ICから約48km
駐車場 50台/無料
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
川俣ダム(川俣湖)

川俣ダム(川俣湖)

栃木県日光市川俣を流れる鬼怒川の最上流部に築かれた堤高117.0mアーチ式コンクリートダムが川俣ダム。洪水防止、利水、発電を目的にした多目的ダムで、ダム湖が川俣湖です。下流側には切り立った峡谷の瀬戸合峡があり、そこに架る「瀬戸合峡渡らっしゃ

 

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