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地下鉄、路面電車、登山電車、3つを同時に楽しめる! 京阪京津線

京阪京津線

御陵駅(みささぎえき/京都府京都市山科区)と、びわ湖浜大津駅(滋賀県大津市)を結ぶ京阪京津線(けいはんけいしんせん)。京都のど真ん中・烏丸御池駅で京都市営地下鉄東西線のびわ湖浜大津駅行きに乗車すれば、御陵駅から逢坂山(おうさかやま)越えの登山電車に変身、さらに大津市内では路面電車と化すのです。

地下鉄で旅はスタートし、途中は登山電車、ゴールは路面電車

びわ湖浜大津駅では4両編成の路面電車

京阪京津線は、鉄道法における普通鉄道ではなく、軌道法の軌道扱い。
乗車している限りでは、まったく変わりませんが、軌道は土木行政に属する道路行政で、鉄道は鉄道行政という違いがあるのです。
京阪京津線は、大津市内で道路の路面を走る「路面電車」となるので、基本は全線が軌道の扱いに。
全長66mの車両が車とともに走るのは、全国でも大津市でしか見られない「奇観」となっているのです。

それでいながら、京都と滋賀の府県境にある逢坂山を越える部分には、最急勾配61‰(パーミル)、つまりは1000m走ると標高が61mも上がるという急勾配が待ち受けています。
どれほどの急勾配かといえば、逢坂山トンネルの京都側に位置する大谷駅(標高159m)のホームベンチは、わざわざ脚の長さを変えてホームの勾配に対応するという「日本の普通鉄道・軌道では日本一の急傾斜の停留場」となっているのです。
また、半径40mなどの急カーブも連続するので、箱根登山電車(小田急箱根)と同様に急カーブ区間では線路に備え付けのスプリンクラーを使って散水し、摩擦熱を下げてもいるのです。

箱根登山電車(小田急箱根)、富士山麓電気鉄道など6社がする「全国登山鉄道‰(パーミル)会」には加盟していませんが、加盟する叡山電鉄、南海電気鉄道(高野線)、神戸電鉄の最急勾配が50‰なので、京阪京津線の60‰は、まさに関西の普通鉄道・軌道では最大勾配(しかも通勤電車!)ということになります。

京都側の起点となる御陵駅は、京都市交通局と京阪電気鉄道の共同使用駅で、京都市交通局が管轄。
ホームは偶数番線が京津線乗り入れ列車用になっています。
京都市営地下鉄東西線、トンネル掘削工事費を少なくするため、標準の地下鉄よりもミニサイズのため、東西線乗り入れではパンタグラフを下げて走行しています。

京阪京津線で使用される車両は、京阪の誇る800系電車(2代目)。
小さな車体に、めいっぱいの機能を盛り込んでいるため、「日本一お金のかかった通勤電車」ともいわれています。
4両編成で、先頭と最後尾の車両は窓を横に見て着席する、1列+2列という特急列車のようなセミクロスシート、中間車はロングシートなので、観光目的での利用なら1号車、4号車が狙い目です。

大河ドラマ『光る君へ』のヒロイン・まひろ(紫式部)ゆかりの地で、『源氏物語』誕生の地ともいわれる大津へは、地下鉄、路面電車、登山電車、3つを同時に楽しめる京阪京津線のクロスシートでの旅がおすすめです。

逢坂山越えの登山電車部分(蝉丸神社)
地下鉄、路面電車、登山電車、3つを同時に楽しめる! 京阪京津線
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

京阪電気鉄道・京津線

御陵駅(京都府京都市山科区)と、びわ湖浜大津駅(滋賀県大津市)を結ぶ7.5kmの線路が京阪電気鉄道・京津線。びわ湖浜大津駅で接続する石山坂本線と合わせて大津線と総称されています。上栄町駅〜びわ湖浜大津駅間の大部分が併用軌道(路面電車)になっ

 

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