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箱根登山鉄道・出山の鉄橋(早川橋梁)

箱根登山鉄道・出山の鉄橋(早川橋梁)

神奈川県箱根町を流れる早川渓谷に架かる高さ43m、長さ60.96mの鉄橋が出山の鉄橋。正式名は箱根登山鉄道の早川橋梁で、塔ノ沢駅~出山信号所間、早川を渡る部分に大正6年5月31日に竣工。塔ノ沢~太平台間を箱根登山鉄道に乗車すれば、鉄道通過時に車窓両側から深く切れ込んだ渓谷を見下ろすことができます。

現役で活躍する日本最古の鉄道橋

移設建築中の早川橋梁

実はこの早川橋梁、もともとは明治21年製造された東海道本線天竜川橋梁だったもの(大正2年にに新橋梁が完成=現在の東海道本線下り線で使用中)。
第一次世界大戦(大正3年〜大正7年)勃発による資材調達難航のため、天竜川橋梁の架替えのために撤去、保管されていたイギリス製の下路ダブルワーレントラスを転用した橋梁なのです。

鉄道作業局技師長としてイギリスから日本に招聘されたイギリス人技師のパウナル(Charles Assheton Whately Pownall)の設計(「めがね橋」として知られる碓氷第三橋梁もパウナル設計)。
橋桁は、1840年に設立されたパテント・シャフト・アンド・アクスルトゥリー(The Patent Shaft and Axeltree Company)の製作。
大正12年9月1日の関東大震災にも耐え、現存する唯一の錬鋼混合200ft桁として国の登録有形文化財に、さらには近代化産業遺産(「外貨獲得と近代日本の国際化に貢献した観光産業草創期の歩みを物語る近代化産業遺産群」)にも認定されています。

塔ノ沢~太平台間は所要12分。
箱根登山鉄道に乗ったら、ぜひ、この歴史ある鉄橋に注目を。

名称 箱根登山鉄道・出山の鉄橋(早川橋梁)/はこねとざんてつどう・でやまのてっきょう(はやかわきょうりょう)
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町大平台
関連HP 箱根登山電車公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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