箱根登山鉄道・日本一の急勾配(80‰)

箱根登山鉄道・日本一の急勾配(80‰)

箱根登山鉄道は小田原~強羅間15kmを約50分で登る日本で唯一の登山鉄道で、最大傾斜は1000分の80(1000m走る間に80m登る)、つまりは80‰(パーミル)で日本一の急勾配。箱根湯本駅(神奈川県箱根町)を強羅に向けて出発すると、いきなりこの日本一の急勾配が始まり、車内にいても車両が斜めになるのを実感できます。

粘着式鉄道で日本最大の80‰!

箱根登山鉄道・日本一の急勾配(80‰)
この場所が80‰

登山電車の車両の長さは14mほどだから、車両の最前部と最後部の高低差が1m以上になる計算。
立ち寄り湯の「かっぱ天国」、「箱根湯寮」、さらに「フォレストアドベンチャー・箱根」などへと通じるガードの上だから、駅前散策途中でもぜひ注目を。

日本で唯一アプト式鉄道である大井川鐵道井川線のアプトいちしろ駅〜長島ダム駅には90‰(パーミル)という部分がありますが、ラックレールという歯形レールを使うアプト式のため、粘着式鉄道(車輪とレールの間の静摩擦に頼って走行する鉄道=いわゆる普通の鉄道です)では、この80‰(パーミル)が日本一の急勾配ということに。
実は、粘着方式で走行できるのは短編成でも80‰程度が限界なのです。

新幹線は、スピードアップのため最大勾配を15‰に限定し、在来線では飯田線の沢渡(さわんど)〜赤木間の40‰が最大勾配です(廃線となった信越本線の横川〜軽井沢間でも66.7‰が最大)。
このことからも80‰がいかに普通の鉄道にとって急坂なのかがよくわかります。

取材・撮影協力/箱根登山鉄道

箱根登山鉄道・日本一の急勾配(80‰)
名称 箱根登山鉄道・日本一の急勾配(80‰)/はこねとざんてつどう・にっぽんいちのきゅうこうばい(80ぱーみる)
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町湯本
関連HP 箱根登山鉄道公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
箱根登山鉄道・出山の鉄橋(早川橋梁)

箱根登山鉄道・出山の鉄橋(早川橋梁)

神奈川県箱根町を流れる早川渓谷に架かる高さ43m、長さ60.96mの鉄橋が出山の鉄橋。正式名は箱根登山鉄道の早川橋梁で、塔ノ沢駅~出山信号所間、早川を渡る部分に大正6年5月31日に竣工。塔ノ沢~太平台間を箱根登山鉄道に乗車すれば、鉄道通過時

箱根登山鉄道

【知られざるニッポン】vol.37 日本一の登山鉄道、箱根登山鉄道

あじさい電車でも有名な箱根登山鉄道。箱根の山を上る登山電車ですが、実はこの鉄道、粘着式鉄道(車輪とレールの間の静摩擦に頼って走行する鉄道=いわゆる普通の鉄道です)と呼ばれるのですが、粘着式鉄道として、日本で最大の勾配を登るのが、実は箱根登山

日本の登山鉄道 「全国登山鉄道‰会」 6社乗り比べ

島国ながら急峻な山の多い日本には、「登山鉄道」と名乗ることができるような勾配を登る鉄道が数多く、箱根登山鉄道、富士急行、大井川鐵道、叡山電鉄、南海電気鉄道、神戸電鉄の6社で、「全国登山鉄道‰会」を結成しています。‰(パーミル)とは1000m

箱根登山鉄道・出山信号場のスイッチバック

箱根登山鉄道・出山信号場のスイッチバック

神奈川県箱根町を走る箱根登山鉄道、日本で唯一の本格的な登山鉄道。なかでも標高165mの塔ノ沢駅から標高448mの宮ノ下駅間はもっとも標高差が大きな場所で急勾配の連続。出山信号場のスイッチバックを最初に、大平台駅、大平台信号場の3ヶ所でスイッ

かっぱ天国

かっぱ天国

神奈川県足柄下郡箱根町湯本、箱根湯本駅裏手の高台にある民営の立ち寄り湯がかっぱ天国。湯船は男性用2ヶ所、女性用1ヶ所の露天風呂のみ。露天風呂には岩が配され野趣満点だ。2つの自家源泉から湧き出す泉質は単純泉、ナトリウム‐塩化物・硫酸塩泉で、地

大井川鐵道井川線・日本一の急勾配(90‰)

大井川鐵道井川線・日本一の急勾配(90‰)

静岡県榛原郡川根本町、大井川鐵道井川線のアプトいちしろ駅〜長島ダム駅間は、最大90‰(パーミル)という日本一の急勾配。その急勾配をラックレールを敷いたアプト式で克服しています。アプトいちしろ駅を出発すると、いきなり最初のカーブから90‰

日本国内に1ヶ所しかない! 珍しい交通システム 11選+2

乗り物好きだけでなく、旅好きなら一度は乗ってみたいのが、「日本で唯一の乗り物、「日本で唯一の交通システム」です。アプト式鉄道、浮上式リニアモーターカー、2階建て絶景ゴンドラ、線路と道路の両方を走るDMV(デュアル・モード・ビーグル)などその

箱根登山鉄道・モハ1形104号

箱根登山鉄道で最古参のモハ1形104号〜106号が現役で活躍中!

大正8年に開業した箱根登山鉄道。開業時からの車両であるチキ1形を昭和25年の小田急車両の乗り入れ開始時に改造した車両がモハ1形。103号、107号は令和元年7月に引退し、現役で活躍するのは104号、106号のみとなっています(ともに汽車会社

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ