神奈川県箱根町、小涌谷(こわくだに)を流れる蛇骨川(じゃこつがわ)の上流にかかる落差3m、幅25mの優美な滝が千条の滝(ちすじのたき)。明治16年、小涌谷温泉を開発し、三河屋旅館を創業、そして蓬莱園を造園した榎本恭三(えのもときょうぞう)は大正年間に千条の滝周辺を整備し、多くの文人墨客も訪れています。
明治時代、榎本恭三が滝に至る道を整備
榎本恭三は、滝に至る道も整備し、往時には茶屋もあったと伝えられますが、今では観光客やハイカーが時折立ち寄るだけの静かな場所に。
滝周辺はイタヤカエデ、ミズナラ、オオモミジが茂り、新緑や紅葉時はまばゆいばかりだ。また一帯は「一目万本」と呼ばれる山桜も有名です。
地質的には、土石流起源の堆積物である円礫岩の上から流れ落ちるもの。
箱根ジオパークのジオサイトにもなっています。
箱根登山鉄道小涌谷駅から浅間山へと登るハイキングコースを利用すれば徒歩20分。
車も進入できますが道が細くすれ違いも困難な場所があるので、歩くのが無難。
ちなみに榎本猪三郎(えのもといのさぶろう)・恭三父子は、明治16年の大火後、小涌谷一帯の村有地を取得。
「小地獄とて一円の硫黄山あり、温泉此処より湧き出づれども熱度甚だしく且つほとばしり出づること少きを以って浴場を設け難く」(明治26年刊『『箱根温泉誌』』)と、それまであまりに熱いことから、利用されずにいた小地獄の噴気に目をつけ、ここに水を引いて温泉の造成に成功。
原野に桜、ツツジの花木を移植して、小涌谷周辺の環境を一新していますが、合わせて、風光明媚な千条の滝へと滞在客を誘ったのです。
名称 | 千条の滝/ちすじのたき |
所在地 | 神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷 |
関連HP | 箱根町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 箱根登山鉄道小涌谷駅から徒歩10分 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 箱根町総合観光案内所 TEL:0460-85-5700/FAX:0460-85-5721 |
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