神奈川県箱根町、旧東海道沿いに江戸時代から12代続く立場茶屋(たてばちゃや)の甘酒茶屋。平成21年に改築されていますが、杉皮葺きの建物で、土間に囲炉裏という構造は以前のまま。旧街道を散策し、名物の甘酒や力餅を味わい、いにしえの旅人に思いを馳せるのも一興。当主の山本聡(やまもとさとし)さんは13代目という老舗です。
創業400年という歴史ある東海道の茶屋
小田原から箱根峠までの4里、とくに畑宿から元箱根は急坂の連続。
『東海道分間延絵図』には、9ヶ所、13軒の甘酒小屋が描かれています。
そのなかで、唯一現存するのが甘酒茶屋です。
創業は定かでありませんが、箱根関所が設けられたのと同じ頃、つまりは元和4年(1618年)頃に創業したと伝えられています。
人形浄瑠璃および歌舞伎の演目『仮名手本忠臣蔵』(江戸時代中期設立)の甘酒茶屋のくだりで赤穂浪士・神崎与五郎が馬子(まご=箱根越えの物資輸送用の馬をひく人)に言いがかりをつけられますが、大事の前であったため侘び証文を書いたとされる場所。
実際は大高源吾が関わった事件で三島宿でのことです。
砂糖が貴重品だった昔は、麹(こうじ)の発酵で甘みを出していましたが、今でも甘酒茶屋の甘酒は昔ながらの手法で造られています。
甘酒の仕込みは早朝から始まり、毎朝その日の気候を考慮して仕込むのだとか。
まさに、駿河の丁子屋のとろろめしなどと並ぶ江戸時代から続く東海道名物のひとつ。
餅も昔ながらに臼ときねでついています。
昭和5年11月26日の豆相地震(北伊豆地震)までは車道の反対側(東海道石畳側)に店を構えていたといい(二子山から巨大な岩が落ち、店が倒壊)、車道の位置が昔の東海道。
アスファルトの下には石畳が眠っているのかもしれません。
甘酒茶屋 | |
名称 | 甘酒茶屋/あまざけぢゃや |
所在地 | 神奈川県足柄下郡箱根町畑宿二子山395-1 |
関連HP | 甘酒茶屋公式ホームページ |
電車・バスで | 箱根登山鉄道箱根湯本駅から箱根登山バス畑宿経由元箱根行きで23分、甘酒茶屋下車、すぐ |
ドライブで | 箱根新道須雲川ICから約6km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 甘酒茶屋 TEL:0460-83-6418 |
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