外国人居留地の面影が残る横浜山手洋館のひとつで、港の見える丘公園内、大佛次郎記念館近くに建つのが山手111番館。大正15年築のJ.H.モーガンの設計によるスパニッシュスタイルの洋館で、アメリカ人J.E.ラフィン(J.E.Laffin)の住宅だったもの。横浜市の文化財に指定されています。
T.M.ラフィンが長男のために建てた洋館
両替商だったT.M.ラフィン(T.M.Laffin/昭和6年没、墓は山手外国人墓地)は大型帆船の船員として太平洋を航海中、船が修理のため、寄港予定のなかった横浜で下船を余儀なくされました。
修理を待つ間に箱根に旅行に出かけ、出会った石井ミヨと大恋愛の末結婚し、横浜で暮らすことに。
その後、横浜冷蔵製氷会社を設立するなどしながら8人の子供に恵まれますが、シベリア生まれのマリア(Maria Lvanova)との結婚が決まった長男(J.E.Laffin)のために建てた家が現在の山手111番館。
現在は、ワシン坂通りに面した広い芝生を前庭とし、港の見える丘公園のローズガーデンを見下ろすという素敵な環境です。
大正9年に来日したJ.H.モーガン(Jay Hill Morgan)は、ベーリック・ホール(旧ベーリック邸)、横浜山手聖公会、旧横浜競馬場一等馬見所(根岸森林公園内)、チャータードビル(神戸市)なども設計していますが、玄関前の3連アーチはベーリック・ホールと同じ意匠。
地下1階、地上2階建て、スタッコ仕上げの白い外壁と赤い瓦屋根の寄棟造りで、創建時には、地階部分にガレージ、使用人部屋、1階に吹き抜けのホール、厨房、食堂と居室、2階に寝室と回廊、スリーピングポーチを配していました。
2階からは横浜港を眺望します。
館内は昭和初期の洋館を体験できるよう家具などを配置されています。
ローズガーデンから入る地階部分は、テラス席のある喫茶室「カフェ・ザ・ローズ」(店内30席、テラス席15席)になっており、手作りのケーキと天然ローズティーなどでくつろぐことができます。
山手111番館 | |
名称 | 山手111番館/やまのてひゃくじゅういちばんかん |
所在地 | 神奈川県横浜市中区山手町111 |
関連HP | 山手111番館公式ホームページ |
電車・バスで | みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩10分 |
ドライブで | 首都高速横羽線横浜公園ICから約1.8km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 山手111番館 TEL:045-623-2957 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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