熊本県阿蘇郡南阿蘇村にある豊肥本線(ほうひほんせん)・立野駅(たてのえき)。阿蘇カルデラ(阿蘇火山の爆発で誕生した釜状の凹部)の外輪山の一角にあたり、実は外輪山が白川の浸食で唯一途切れるのがこの立野駅周辺。立野駅と赤水駅の標高差188mを克服するためスイッチバックが取り入れられています。
赤水駅との標高差188mをスイッチバックで克服
瀬田駅が標高170m、立野駅が277m、赤水駅は465mと3駅で295mの標高差があります。
昭和3年12月2日の豊肥本線全線開通は、この立野駅のスイッチバックと最大33.3‰(パーミル)という急勾配で克服しています。
しかも立野駅のスイッチバックは、単に折り返すのではなく、逆Z型に、二度方向を変えるという三段式。
スイッチバックの折り返し点の標高は306mですから立野駅で方向を変えてから30mの勾配を登り、方向を転換します。
JR木次線(きすきせん)の出雲坂根(いずもさかね)〜三井野原(みいのはら)間とともに、三段式スイッチバック駅として鉄道ファンには有名な場所です。
スイッチバックのためもあり、立野駅には「ななつ星in九州」を除くすべての特急・普通列車が停車しています。
熊本地震で大きな被害を受けましたが、立野駅では120mあったプラットホームを91mに短縮して造り直し、スイッチバック2つ目の転向部は地震で一部が崩落しましたが、土砂止擁壁が築かれて復旧しています。
JR九州の駅でスイッチバックのある駅は立野駅のほかに、肥薩線の大畑駅、真幸駅があります。
豊肥本線・立野駅のスイッチバック | |
名称 | 豊肥本線・立野駅のスイッチバック/ほうひほんせん・たてのえきのすいっちばっく |
所在地 | 熊本県阿蘇郡南阿蘇村立野 |
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