かつての埋葬地、京都・化野(あだしの)に建てられた浄土宗の寺、化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)。空海が五智山如来寺を建てた後、野ざらしの遺骨を埋葬したのが起源という古刹です。後に法然が念仏道場として再建し、化野念仏寺と改められました。境内には8000体もの石仏、石塔が祀られ、幽玄な雰囲気。
8000体もの石仏、石塔が並ぶ
化野は、東の鳥辺野(とりべの)、北の蓮台野(れんだいの)と並ぶ平安京誕生以来の京の埋葬地(京都の三大墳墓地)。
平安時代の京では亡骸(なきがら)は洛外へ運び、野ざらしにし風葬(遺体を埋葬せずに風にさらし風化を待つ)を行なっていました。
「あだし」とは、古語で「はかない」、「変わりやすい」(無常)の意。
野ざらしだった遺骸を、疫病の発生を抑えるために土葬し、1000体の石仏と堂を建てたのが空海だと伝えられています。
念仏寺境内の約8000もの石仏石塔は、化野一帯に葬られた人々の墓なのです。
おびただしいその石仏群は、世の無常を示す吉田兼好の随筆『徒然草』(つれづれぐさ/枕草子、方丈記とともに日本三大随筆のひとつ)にも「あだし野の露消ゆるときなく、鳥部山の煙立ち去らでのみ、住み果つるならひならば、いかにもののあはれもなからん。世は定めなきこそいみじけれ」と描かれています(化野を例に取り、この世は無常だからこそ素晴らしいと記しています)。
毎年8月23日、24日の地蔵盆(毎月24日は地蔵菩薩の縁日で8月24日が地蔵盆)には、無縁仏にろうそくの灯を供える『千灯供養』が行なわれています。
この行事は明治時代から行なわれるもので、多くの参詣者で賑わいます。
化野念仏寺 | |
名称 | 化野念仏寺/あだしのねんぶつじ |
所在地 | 京都府京都市右京区嵯峨鳥居本化野町17 |
関連HP | 化野念仏寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR京都駅から京都バスで48分、鳥居本下車、徒歩4分 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 化野念仏寺 TEL:075-861-2221/FAX:075-881-9800 |
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