京都府京都市左京区、叡山電鉄八瀬比叡山口駅近くにある浄土真宗の寺が、瑠璃光院。通常は非公開ですが、春夏秋の期間限定で公開。庭園の新緑、紅葉が書院2階の机や床に映り込む様子がSNSでも話題となり、今では世界中から絶景を目的に訪れる人がいるほど人気寺院になっています。
京都の財界人の別荘が極楽浄土を具現化した寺に変身
もともとは、亀岡出身で京都電燈、丹波と京都を結ぶ京都鉄道(現在の嵯峨野トロッコ列車)の設立などに携わった実業家、政治家の田中源太郎(たなかげんたろう)が別荘として建てた庵がルーツ。
公卿・三条実美が「喜鶴亭」と名付けた庵は、田中源太郎没後に京都電燈重役の個人別荘になり、大正時代末〜昭和初期に、大幅に増築され、庭園が築かれました。
それが現存する2階建て、数寄屋造りの書院で、裏千家御用達で京数寄屋造りの名人・中村外二(なかむらそとじ)が手掛けたもの。
書院から眺める「瑠璃の庭」は、佐野藤右衛門(さのとうえもん)一門の作庭といい、苔の絨毯(じゅうたん)が瑠璃色(るりいろ)に輝くのが名の由来です。
叡山電鉄叡山本線や叡山ケーブルを敷設したのは京都電燈(現在の京福電気鉄道)だったため、そのゆかりの地にあり、別荘も京福電気鉄道の所有となり、料亭旅館「喜鶴亭」として営業していましたが、廃業が決まったことで岐阜市に本坊を置く光明寺が譲り受け、平成17年から寺となったもの。
つまり瑠璃光院は、無量寿山光明寺京都本院ということに。
例年の春季特別拝観は、4月中旬〜5月31日、夏季特別拝観が7月1日〜8月中旬、秋季特別拝観が10月1日~12月中旬といった感じです。
駐車場はなく、しかも近隣との協定で、ツアーなどを受け付けていないため、比較的に落ち着いて拝観ができます(小学生以下は無料)。
山門をくぐり、書院玄関へと続く苔むした「山露路の庭」も見事で、まさに浄土の世界へと導かれる感じです。
撮影が目的でも、仏教に触れられる貴重な時間なので、心を落ち着かせ、のんびりと庭園の観賞を(三脚や一脚の使用は厳禁)。
瑠璃光院 | |
名称 | 瑠璃光院/るりこういん |
所在地 | 京都府京都市左京区上高野東山55 |
関連HP | 瑠璃光院公式ホームページ |
電車・バスで | 叡山電鉄八瀬比叡山口駅から徒歩5分 |
駐車場 | なし |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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