JR東海は、開発中のリニア中央新幹線の座席に関して、リクライニング機能のない固定式とする方針を固めたようです。現在、山梨リニア実験線を走行するL0系改良型試験車は、リクライニングと連動して沈み込む座面を採用していますが、営業車両は、固定式でシートピッチを優先する仕様に。
開業時の車両の基本形M10にリクライニング機能なし
東京・品川〜名古屋は、最速40分ということで、リクライニング機能がなくても乗客が快適に過ごせると判断したため。
背もたれは後ろに15度傾斜した状態で、十分に快適さが確保できると判断したのです。
すでに2025年7月に報道機関に公開した試験車両の新型式「M10」では、リクライニングシートなしになっていますが(報道機関へは外観のみ公開)、この「M10」は営業車両を想定したものであるため、実際の営業でもリクライニングはなしということに。
その分、背もたれが薄くなり、シートピッチを確保できるため、膝の前にスーツケースなど大きな荷物を置く空間が生まれ、快適度はリクライニングよりもシートピッチという判断によるものです。
座面は現在の東海道新幹線より柔らかくなり、15度の傾斜で、背中から座席にかかる体重が均等に分散する仕様に。
2017年に「営業に必要な技術開発は完了した」という結論で、現在は営業運転に向けて座席、荷物棚などを含めた細部を詰めている段階です。
高速走行のため、キャリーバック大の荷物は足元に置いてもらうという発想で、グリーン車並みのシートピッチを確保したということになります。
リニア中央新幹線の車両は、今後も改良を重ねていきますが、M10は開業時の車両の基本形となる予定です。
リニア中央新幹線の座席、リクライニングなしに決定! | |
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