三重県桑名市本町、桑名宗社(くわなそうしゃ)とは桑名神社と中臣神社(なかとみじんじゃ=春日神社)の両社をあわせた名前で、桑名の総鎮守。現在も本殿・拝殿は2宇に分かれ、神紋も異なっています。8月に行なわれる「日本一やかましい祭り」石取神事(『石取祭』)は、この桑名宗社に由来する祭礼です。
旧桑名城下町の総鎮守で、『石取祭』でも知られる社
桑名神社は平安時代編纂の『延喜式神名帳』に記載される古社(式内社)で、天津彦根命(あまつひこねのみこと)と天久々斯比乃命(あめのくぐしびのみこと)が祭神。
天久々斯比乃命は、古代の豪族・桑名首(くわなのおびと)の祖神で、桑名は高塚山古墳に祀られると推測される桑名首が拓き、室町時代には桑名神社を中心に十楽の津と呼ばれる中世貿易都市(自由都市)として発展した町です。
中臣神社も『延喜式神名帳』に記載され式内社で、神護景雲3年(769年)創建と伝わる古社。
鎌倉時代の正応2年(1289年)、桑名神社境内に遷座し、永仁4年(1296年)に春日大社の分霊を勧請したことから春日神社とも称されています(神社では桑名宗社の俗称が春日神社としています)。
八月第1日曜の石取神事(『石取祭』)は、中臣神社(春日神社)の流鏑馬神事の馬場修理のため、町屋川から石を運んだのが創始といわれています。
前日、三十数台の祭車が打ち鳴らす鉦や太鼓の音は鳴りやまず、勇壮無比な祭り。
見事な彫りの彫刻に漆を塗った祭車が旧東海道などを練り歩き、国の重要無形民俗文化財に指定、「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されています。
社前の青銅鳥居は、「勢州桑名に過ぎたるものは、銅の鳥居に二朱女郎」と謳われたもので、寛文7年(1667年)、桑名藩主・松平定重(まつだいらさだしげ)の「日本随一の青銅鳥居を」という命により藤原種次が建立したのが初代。
以降、たびたび暴風雨や台風などで倒壊し、修築されたもので、桑名市の文化財に指定されています。
境内社の桑名東照宮は、元和3年(1617年)、千姫が創建。
ちなみに、平成7年、春日神勧請七百年祭記念事業として再建された楼門の扁額には「桑名宗社」とあり、公式HPには、桑名宗社(俗称:春日神社)と記載、三重県神社庁の神社一覧には、桑名神社、中臣神社と別個の記載(2社の扱い)になっています。
桑名宗社 | |
名称 | 桑名宗社/くわなそうしゃ |
所在地 | 三重県桑名市本町46 |
関連HP | 桑名宗社公式ホームページ |
電車・バスで | JR・近鉄名古屋線桑名駅から徒歩15分 |
ドライブで | 東名阪自動車道桑名ICから約5km |
駐車場 | 40台/無料 |
問い合わせ | 桑名宗社 TEL:0594-22-1913 |
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