宮城県石巻市、「袖の渡り」(そでのわたり)ゆかりの公園が住吉公園。「袖の渡り」は、旧北上川にあった金華山道の渡し場。源頼朝に追われた源義経が船賃の代わりに片袖をちぎって船頭に与えたという伝説が残る、かつての船着き場跡を整備した公園で、旧北上川河口の細長い小島に、朱塗りの太鼓橋が架かっています。
古来歌枕で知られた「袖の渡り」の地
島の先端には、川の水が巻きながら流れる様子から、「巻石」と名付けられた岩があり、この巻石が石巻の地名の由来ともいわれています。
「とこもふち 淵も瀬ならぬ 涙川 袖の渡りは あらじとぞ思ふ」(『新後拾遺和歌集』清少納言)、「涙川 浅き瀬ぞなき 陸奥の 袖の渡りに 淵はあれども」(『夫木和歌集』藤原行家)。
清少納言が枕詞として「袖の渡り」を使っていることから源義経以前から袖の渡りが存在したことが判明し、源義経が船賃の代わりに片袖をちぎって船頭に与えたというのは後世の作ということに。
奥州藤原氏が建立した金花山大金寺(現在の黄金山神社=749年・天平21年創建)がある金華山への参詣ルート(金華山道)の渡し船として重要な場所だったのです。
『奥の細道』途中、元禄2年5月10日(1689年6月26日)、石巻に立ち寄った松尾芭蕉と曾良が、歌枕の地を見逃すはずもなく、日和山を訪れた後、北上川近くの住吉神社に参詣時に、袖の渡りを見ています(曾良旅日記「帰ニ住吉ノ社参詣。袖の渡り、鳥居の前也」)。
赤い橋で渡る小さな島も、東日本大震災の津波で住吉神社の社も流され、その後、復興されています。
住吉公園 | |
名称 | 住吉公園/すみよしこうえん |
所在地 | 宮城県石巻市住吉町 |
電車・バスで | JR石巻駅から徒歩10分 |
ドライブで | 三陸自動車道石巻河南ICから約4.8km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
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