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富山展望台(富山観音堂)

富山展望台(富山観音堂)

宮城県松島町と東松島市の境に聳える標高116.8mの山が富山。山頂には富山観音が鎮座しますが、そこが「松島四大観」に数えられる絶景の地、富山展望台です。東南西の三方が一望にできるワイドビューが広がり、明治9年には、明治天皇も登拝され、その絶景を目にしています。瑞巌寺北のある新富山展望台とは異なるのでご注意を。

江戸時代から松島屈指の絶景の地と名高い

奥松島へと通じる宮城県道27号(奥松島松島公園線)からアクセス道路を利用すれば富山展望台の駐車場(「富山参道入口」手前)に到達できますが、この道が狭く、離合不可の場所が連続するので対向車には注意が必要。
駐車場から階段を数分上れば富山展望台の屋根付き展望デッキ、そして富山観音堂に到着します。

『奥州名所図絵』に「松島の景悉く(ことごとく)富山にあり」と記され、芭蕉の『奥の細道』に帯同した曾良も『曾良旅日記』に眺望の地であることにわざわざ触れているので、江戸の昔から景勝地だったことがわかります。

近くにある臨済宗妙心寺派の寺、大仰寺(だいぎょうじ)からの眺望も見事なので、時間が許せば寄り道を。

富山観音堂は坂上田村麻呂が大同年間(806年~810年)、円仁(慈覚大師)作の観音菩薩像を安置したことから始まると伝えられる古刹。
箟岳観音(ののだけかんのん/涌谷町)、牧山観音(石巻市)とともに「奥州三観音」に数えられています。
現存する堂は、承応3年(1654年)、伊達政宗の長女・五郎八姫(いろはひめ)が修築したもの。

広重『六十余州名所図会陸奥 松島風景富山眺望之略図

歌川広重晩年の嘉永6年(1853年)〜安政3年(1856年)に制作された『六十余州名所図会』。
五畿七道の68ヶ国と江戸からそれぞれ1枚ずつの名所絵69枚に、目録1枚を加えた全70枚からなる名所図会で、現代風に直せば、全国都道府県ベストショットポイント。

東山道の陸奥国(むつのくに=現在の福島県、宮城県、岩手県、青森県)では、『松島風景富山眺望之略図』として、松島の富山を、あたかもドローンを使ったかのような鳥瞰的に描いています。

島の名前をわざわざ記入しているところも他の絵図とは異なるところで、寛永20年(1643年)に儒学者・林春斎が著書『日本国事跡考』が松島を筆頭に「三處奇觀」と記した、「日本三景」という意識があったのかもしれません。

富山展望台(富山観音堂)
名称 富山展望台(富山観音堂)/とみやまてんぼうだい(とみやまかんのんどう)
所在地 宮城県宮城郡松島町手樽三浦
関連HP 松島町公式ホームページ
電車・バスで JR陸前富山駅から徒歩30分
ドライブで 三陸自動車道松島北ICから約6.5km
駐車場 5台/無料
問い合わせ 松島町産業観光課 TEL:022-354-5708
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

大高森展望台

宮城県東松島市、奥松島の宮戸島にある標高105.2mのピークが大高森展望台。松島四大観のひとつで、松島湾に浮かぶ260あまりの島々を一望する景勝地。日本三景・松島を箱庭のように見渡すことから、「壮観」と称されています。大高森は四大観でも随一

多聞山展望台(毘沙門堂)

宮城県宮城郡七ヶ浜町、松島湾に南側から突き出した大きな半島先端の展望地が多聞山展望台で、「松島四大観」のひとつ。すぐ近くに東北電力仙台火力発電所がありますが、多聞山周辺の自然はよく守られています。宮城県道58号(塩釜七ヶ浜多賀城線)から多聞

扇谷展望台

宮城県宮城郡松島町、双観山近くにの扇谷山(標高65m)の展望地で「松島四大観」のひとつに数えられているのが扇谷展望台(おうぎだにてんぼうだい)。国道45号の双観山分岐近くから西側の山側にダートの道を入ると駐車場です。扇谷からの松島湾の眺望は

松島四大観とは!?

日本三景に数えられる松島は、松島丘陵の東端が沈降して誕生した海岸で、大小約230の島嶼からなっています。江戸時代に定着した「松島四大観」(まつしましだいかん )は、大高森展望台(東松島市)、多聞山展望台(毘沙門堂)(偉観/七ヶ浜町)、富山展

天麟院

宮城県宮城郡松島町、瑞巌寺近くにある、臨済宗妙心寺派の寺が天麟院(てんりんいん)、伊達政宗の正室愛姫(めごひめ)との間に生まれたただ一人の愛娘、五郎八姫(いろはひめ)の菩提寺。瑞巌寺の洞水の開山で、陽徳院(愛姫の霊屋)、円通院(伊達光宗霊屋

日本三景とは!?

寛永20年(1643年)に刊行された林春斎(はやししゅんさい/林羅山の三男・林鵞峰)の『日本国事跡考』の陸奥国のくだりで、松島、丹後・天橋立、安芸・宮島(原文は厳島)を卓越した三つの景観(原文は「三處奇觀」)としたのが、日本三景の始まり。松

 

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