日本で唯一の「山名表札」が掛かる山、大小山とは!?

大小山

家の玄関には表札が掛かっていますが、「山名表札」が掛かる山は、日本国内にはただ1座しかありません。それが栃木県足利市と佐野市の境にある大小山(だいしょうやま)。大なのか小なのかはっきりしない山名ですが、その山上の岩壁に一文字7m四方の「大小」という山名表札が掛かっているのです。

200年以上も昔から掲げられる「大小」の文字

大小山

藤棚やイルミネーションで有名な「あしかがフラワーパーク」(両毛線あしかがフラワーパーク駅)の北、2kmほどに位置する標高313.8mほどのピーク。
山麓の阿夫利神社が登山口で、40分ほどで登頂できるので、どちらかといえば「小山」(ただし、修験の山で岩場をロープを頼りに登るなどの場所もあるので、注意が必要)。

山頂直下の岩壁にステンレス製の「大小」の山名表札が掲げられています。
双耳峰で、地元・足利市では南嶺(標高282m)を大小山、北嶺(313.8m)を妙義山と称していて、登山道の標識もそうなっています(標高282mのピーク直下の岩壁に「大小」の山名表札が掛かっています)。
ただし、国土地理院の2万5000分の1地形図には北嶺(313.8m)が大小山に。


北嶺は、関東平野の北端という位置関係で、晴れた日には、筑波山、富士山、秩父連山、浅間山、赤城山、足尾の山々、日光白根山、男体山などを一望に。
快晴ならスカイツリーなども視認できるので、双眼鏡の持参を。

山名は、山に住むという大天狗と小天狗という伝承からというのが通説。
阿夫利神社は、神仏習合時代の石尊権現(せきそんごんげん)で、丹沢・大山の雨降山大山寺から全国に広まったもの。
江戸時代には大山詣でも盛んに行なわれ、足利周辺にも石尊権現(現・阿夫利神社)が建立されたのです。
丹沢の大山に見立てて、その小型版で大小山という気もしますが、大天狗、小天狗の住む霊場というのが名の由来とされています。

阿夫利神社の案内に「中腹に大小の大文字が岩に懸けられて関東平野の名物であった」とあり、江戸時代後期、無病息災を祈願する地元の人たちによって掲げらたのが始まりとか。
つまりは200年以上も「山名表札」が掲げられていることに。

大小山
日本で唯一の「山名表札」が掛かる山、大小山とは!?
名称 大小山/だいしょうやま
所在地 栃木県足利市西場町
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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