奈良県高市郡明日香村の真弓丘陵にある古墳が、マルコ山古墳。全国的にも珍しい六角形の古墳(六角墳)で、築造は7世紀末~8世紀初めの古墳時代終末期だと推測されています。当初は円墳だと目されていましたが、近年では皇族を葬った六角墳だとされています。
天武天皇の皇子など飛鳥時代に活躍した皇族の陵墓
対角長24mの二段築成の六角墳で、墳丘の高さは5.3m。
周辺には、第37代斉明天皇(第35代皇極天皇)の陵ではないかと推測される牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん/7世紀中葉〜8世紀初頭の八角墳)、草壁皇子(くさかべのみこ)の陵墓とする説もある束明神古墳(つかみょうじんこふん/7世紀末の八角墳)などの多角形墳(八角墳)があり、天皇や皇族関係の陵墓と推測されることから、マルコ山古墳も天武天皇の皇子、あるいは川島皇子(かわしまのみこ)など、皇族関係の可能性が大。
凝灰岩の切石で作られた横穴式石室があり、床や天井部分、奥壁、側壁など合計17石で構成されています。
南に向かって石室が開口し、高松塚古墳やキトラ古墳などと同様に全面に高価な漆喰(しっくい)が塗られています。
石室の規模では高松塚古墳をしのぎ、被葬者としては天武天皇に関わりを有した極めて身分の高い人物だと推定できます。
出土した遺物には、鉄釘や銅釘、金銅六花形飾金具、金銅製大刀金具、尾錠、人骨(30歳代の男性)などがあり、出土品から7世紀末〜8世紀初頭に築かれたと推測されています。
現在は史跡整備により築造当時の姿に復元され、見学が可能。
ちなみに道教・仏教思想に由来すると推測される多角形墳としては、天皇陵にも採用された八角墳が有名ですが、六角墳は、塩野六角古墳(兵庫県姫路市)が最初の確認例で、現在でもマルコ山古墳、奥池3号墳(岡山県岡山市)など全国でも数基だけという希少なものです。
マルコ山古墳 | |
名称 | マルコ山古墳/まるこやまこふん |
所在地 | 奈良県高市郡明日香村真弓 |
関連HP | 明日香村公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄飛鳥駅から徒歩20分 |
ドライブで | 京奈和自動車道御所ICから約4km |
問い合わせ | 明日香村文化財課 TEL:0744-54-5600 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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