毎年7月31日~8月1日、石川県輪島市で『名舟大祭(御陣乗太鼓)』が行なわれます。輪島市名舟町は御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)の発祥地。天正5年(1577年)、上杉謙信の能登攻略の際、古老の一計で、奇妙な面を付け、陣太鼓を打ち鳴らし上杉軍に奇襲をかけて敗走させたのが始まりといわれています。
御陣乗太鼓発祥の地で行なわれるキリコ
上杉軍撃退を、村人はこれを舳倉島(へぐらじま)の奥津比咩神の御神徳によるものだと考え、奥津比咩神社の大祭『名舟大祭』で太鼓を奉納するようになったのです。
御陣乗太鼓の伝承は地元に生まれたものにしか資格がなく、祭りを前にして地元の子供たちは週2回、大人は毎晩太鼓の練習に励みます。
『名舟大祭』は、神輿とキリコが町内を練り歩いた後、海に立つ鳥居に神輿を送り、陣乗太鼓が奉納されます。
祭りの最初の見せ場は7月31日の21:00頃。
奥津比咩神社の遥拝所である白山神社に各地区のキリコが参集します。
5本のキリコが勢ぞろいすると神輿とともに名舟海岸へ。海に立つ鳥居まで神輿が船に乗り、舳倉島にある奥津比咩神社の祭神を迎えます(神輿の海上渡御)。
神輿が海岸に戻ると、御陣乗太鼓を奉納。
23:00頃〜神輿とキリコが町内を巡行。
8月1日は、14:40頃~御陣乗太鼓が山車に乗って神輿を先導。
神輿が名舟海岸に到着すると、船に神輿を乗せ、海に立つ鳥居まで祭神を送り出します(神輿の海上渡御)。
海岸では山車から降りた御陣乗太鼓の奉納打ちが行なわれます。
日本遺産「灯り舞う半島 能登〜熱狂のキリコ祭り〜」
日本海文化の交流拠点である能登半島には、独自の文化が育まれていますが、そのひとつがキリコと総称される灯籠神事。
キリコとは切子灯籠のこと。
祇園信仰や夏越しの神事から発生した祭礼で、能登半島全体、七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町の3市3町の200地区で行なわれ、「夏に能登を旅すればどこかでキリコに出会える」といわれるほど。
このうち、『名舟大祭』は、白山神社の例祭で御陣乗太鼓(輪島市名舟御陣乗太鼓=石川県無形民俗文化財)が奉納されます。
『名舟大祭』と御陣乗太鼓は、日本遺産「灯り舞う半島 能登〜熱狂のキリコ祭り〜」の構成資産になっています。
名舟大祭(御陣乗太鼓)|輪島市 | |
開催日時 | 毎年7月31日~8月1日 |
所在地 | 石川県輪島市名舟町 |
場所 | 名舟町 |
関連HP | 能登輪島観光情報ポータルサイト |
電車・バスで | 輪島駅前から路線バス輪島線「町野行き」乗車、「名舟」下車 |
ドライブで | のと里山海道のと里山空港ICから約27km |
問い合わせ | 南志見公民館 TEL:0768-34-1001 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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