島の面積0.03平方キロ、周囲4kmという関東最小の有人島が、千葉県鴨川市の仁右衛門島(にえもんじま)。島の面積は、日本最小の有人島といわれる長崎県・五島列島の蕨小島と同じですが、周囲は蕨小島よりも少し長いため、日本第2位の小さな有人島ということにもなります。
当主で推定39代目という個人所有の島

千葉県鴨川市太海の沖合200mほどに位置する島で、島の面積0.03キロながら、千葉県では最大の島、そして唯一の有人島。
仁右衛門島という名は、初代島主・平野仁右衛門の名に由来。
当主の平野泉さんで39代目と推定される個人所有の島というものユニークです。
治承4年(1180年)、石橋山の戦いに敗れた源頼朝は、真鶴岬(まなづるみさき)から海路、房総へと逃れ、再起を図っていますが、その時に島主の仁右衛門に助けられたという伝承も(房総半島には各地に頼朝伝説が残されていますが、そのひとつです)。
平野性を名乗るようになったのは、頼朝から平野姓を与えられたからとも。
中世〜近世には一帯の漁業権を有しながら半漁半士的な生活を送っていたものと推測できます。
現在は「観光の島」として、専用の渡船で島に渡り、観光する仕組み。
太海港からは200mほどなので、泳いで渡ることもできそうですが、「泳いで渡っても、舟を利用しても入島料は同じ」とのこと。
通常は、二丁櫓の手漕ぎ舟でのんびりと島に渡ります。
元禄16年(1703年)の元禄大地震までは、海際に屋敷を構えていたそうですが、地震と津波で倒壊したために、中央部に建て替えた建物が、現存の屋敷。
築300年以上の建物は観光客に公開されています。
島主(平野家)住居のほか、源頼朝のかくれ穴などもあり、島内探索が可能です。
島内にはイソギク、ハマカンゾウなどの暖地性の海浜植物も豊富で、屋敷の奥庭には推定樹齢600年以上という大ソテツが茂っています。
島を探索するとタイムスリップしたような感覚にもなりますが、実は昭和46年公開の映画映画『ガメラ対深海怪獣ジグラ』(制作・大映東京撮影所、昭和ガメラシリーズ第7作)では、鴨川シーワールドと仁右衛門島が舞台。
ガメラによって仁右衛門島に送り届けられた主人公たちの通報で、国連は地球防衛軍を結成してジグラ星人に対抗という設定ですが、古風な服装をする島民を見て主人公は、タイムスリップしたと勘違いするというシーンがあります。
画像協力/千葉県

関東最小の有人島は、南房総に! なんと手漕ぎ舟で上陸する「個人所有の島」 | |
所在地 | 千葉県鴨川市太海浜445 |
場所 | 仁右衛門島 |
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